まるで冒険のよう

三年前に一時間くらい迷ったことがある

それから何回かはスムーズに辿り着けたのに
どうしてまた迷うんだろう

どこかへ行く時
大抵いつも私は勘がはたらいて
気持ちのいい散策を伴って
目的地に至る

このお墓に関しては
どうも勘が働かない
私のテンションは無気力に近い


こうして家族で迷子になって

どうして事前に場所を確認しないのかなんて
笑いながら理不尽にお互いを責める遊びは
とても贅沢で酔狂なことに思えて気に入っていると打ち明けたら
反感を買うだろうか



果たして
お墓にたどり着けるのか

確か
どこかの角を曲がってすぐだとか
山の麓だとか
案外、幹線道路から離れていないとか
池の近くだったはずだとか
この坂は登ってはいけないとか

このコンビニに出たら間違い
こんな景色はみたことがない


住人しか通らないような道を
この辺りの地名じゃないナンバープレートで走り

古くて広い家で道路沿いに干されている洗濯物から想像した日常を横目に和み
騒がせて申し訳ないような気分になる



池を通り過ぎてはいけない
山の麓のお墓


Google mapの航空写真を
兄が私に確認する

内心ガッカリしながら
「そんな感じ」と応えた


着いてしまえば
ややこしい名でナビに地点登録されていて
シンプルな名称で再登録された


ご先祖さま
日頃の御加護をありがとうございます
これからもあたたかく見守ってください



またいつか
こんな風に迷子になりたい
最近は一般人でも宇宙に行けるみたい

「新婚旅行は宇宙へ行きたい」と切り出した私に

兄が
「地球の行きたいところに行ってから宇宙に行ったら?」と言ったから

「安西先生みたいなこと言わないでよ」と応えた

季節が巡れば、刺激を求めて弾丸ツアーに誘われるけど
新婚旅行に物見遊山は忙しい


せっかくの新婚旅行だったら
たった五分の滞在だとしても
宇宙に行きたい

家を買うくらいなら
新婚旅行に宇宙へ行きたい

案外、そんな私に会いたい人が
私を色んな街に招いてくれるんじゃないかしら?


「それなら、一番最初じゃなきゃインパクトないよ」

なんて母から素敵なアドバイス

先に掴むのは
新婚旅行相手との出会いか
宇宙旅行のきっかけか


話すことは物事が動くガソリンになるね
ソレを打ち明けた人が
誰かにソレを話したことを責めたいわけじゃない

信頼関係云々ということでもない

ただこの不愉快な感情の消化方法がわからない


彼女に話したソレは
彼女が抱えるには大きく重く濃かったんだろう


私が不機嫌なワケを話すから
私が不機嫌でいることを許してください

責めたいんじゃない
謝ってほしいんじゃない

それでも
やりきれずしんどい

だから
不機嫌な私をそっとしておいて

甘えてごめんね



私にとって彼女は
気兼ねせず何でも話しやすい大切な人

彼女にとって私は
面白く愛しくも心配と苛立ちの種なんだろう

母娘


自立と依存と愛と葛藤

上下ではないけど順番のある関係
可愛らしくて悩ましい関係