「超高齢社会における高齢パーキンソン病診療」という
日本で2022年に発表された論文があって
読んでみた。
(このタイトルで検索できます)
治療開始年齢が49歳以下
50歳から69歳以下
70歳以上と
3段階の発症年齢で出やすい運動症状や注意するべき症状が
違ったりすることなど
研究結果が書かれていた。
これはあくまでも論文なので
エビデンスが取れたパーキンソン病総論としての研究の結果ではないことを
ご注意ください。
2018年に日本神経学会から出された
パーキンソン病の診療マニュアルに
運動合併症ジスキネジアとウェアリングオフの発現影響する因子は何か?
という治癒総論があります。
個人利用のみネットで無料で見れます。
レボドパ(マドパーやメネシット、ドパコールなど)で服用を開始した患者Aと
ドパミンアゴニスト(レキップやハルロピテープなど)やMAOB阻害薬(エフピーやアジレクト)Bで
服用を開始した患者を追っていった研究結果がある
7年後にはジスキネジアの発生確率が
レボドパ開始患者A:36%
その他の薬から開始患者B:33%
という結果とのこと
7年後のウェアリングオフの発生確率は
レボドパ開始患者A:53%
その他の薬から開始患者B:56%
7年後にはほぼ同じなんですね。
その間が重要!
5年後まではジスキネジア、ウェアリングオフの発生確率は
Bの患者のほうがはるかに少ない。
しかし運動症状の改善効果についてはAの患者のほうが
はるかに良い、のだそう。
さらに14年後にはどちらの薬で治療を開始しても
ジスキネジア、ウェアリングオフがでる発生確率と運動症状の改善については大差がなく、
またBの患者も概ね3年経つとレボドパを併用するようになる
とのことです。
またウェアリングオフ(薬の効果切れ)の発生確率には
年齢が大きく作用するという。
服用5年後を追跡した研究では
60歳以下 :64%
60から79歳以下 :41%
80歳以上 :11%
さらに
ジスキネジアの発生は女性が多い。とも書いてあります。
エンタカポンの併用者もジスキネジアの発生確率が高いそうです。
全体的には治療の開始から
5年後
ウェアリングオフを引き起こしている患者の割合は42,9%
ジスキネジアを引き起こしている患者の割合は24,3%
とのこと。
そして服薬内容を
修正すればウェアリングオフもジスキネジアも改善するケースがあるとのことです。
だから希望を捨ててはいけません
以上を踏まえて
ではなんの薬から服用を始めたら良いのか
主治医との当然 相談ですが
男性で60代近辺で発症服用開始なら、
レボドパ(マドパーやメネシットから)かなぁ、
とか
女性でも80歳以上から服用開始ならレボドパ(マドパーやメネシット)で良いのでは。
そして
発覚時にまだ歩ける女性で40代の患者だったら
5年後までにジスキネジア発生するほうが大変かもなのでレボドパ以外から服用。
でも50代後半の女性だったら
レボドパから服用して良さそうに思います。
男性で40代後半だったら?
色んなケースで最初の服用薬って違うのがよくわかります。
80代ならお薬の副作用より
認知症予防や姿勢改善のほうが心配するべきことかも。
ちなみにレボドパを服用しても効かないパーキンソン病の患者を症状を
NO -Onと呼ぶそうです。
消化管の吸収が悪いことが考えられ、
●空腹時に服用
●水に溶かす
●ドンペリドン、モサプリドを併用して消化管を促進する
●食後の服用のまま、レボドパの量を150〜200mgに増やす
という方法が書いてあります。
主治医にご相談を。
先に便秘の解消と水分不足の解消が必須です。
上記の方法はレボドパの血中濃度を急に上げることになります。
あくまでもお薬が全く効かないというかた向けでも。
早く効くということは効きめが早く切れるという可能性も
含んでいますのでご注意を
大雨で時間ができたので
おおまかにまとめてみました