フリック・コレクションは寡作のフェルメールの絵が三点もあることで有名だそうです。
フリック氏が最後に購入した作品です。
私はこの絵を見て、映画の
「真珠の耳飾りの少女」
の意地悪な女主人を連想してしまいました。
そっくりではありませんか?
絵画にインスパイアされた小説が
原作になっているだけあって
あの映画は本当に良く出来た映画だったなぁ
と再認識しました。
少女役のスカーレット ヨハンソンも
イメージにピッタリだったし。
この女主人も
少女と同じ様な耳飾りをつけているのに、
私にはもう映画のイメージしかわきません。
少女漫画大好きな私は
ロココ様式の作品にも魅かれます。
西の連廊にあるブーシェの「四季」の連作は
ルイ15世の公娼ポンパドール夫人の
玄関ホールを飾った作品だそう。
小品ですが、華やいだ空間を演出しています。
ここはこじんまりとしたスペースで
何だか落ち着いた気分で鑑賞できます。
圧巻なのは、フラゴナール ルームです。
元は「Drawing room」と呼ばれ
フリック夫人が自ら装飾を考え、
食事後に女性達がくつろぐために
使われるお部屋だったそうです。
だからとてもフェミニンな雰囲気なのですネ
この部屋を飾るフラゴナールの大作
「The Progress of Love 」の連作は
ルイ15世の公娼デュバリー夫人からの
注文を受け作成したところ、
結局拒否されてしまったという
逸話があるそうです。
(あのマリー アントワネットが嫌々
「今日のベルサイユは
大変な賑わいですこと」
と声をかけた夫人ですね。)
ここまでが求愛から愛の結実までを表現した
当時の連作で、
受け取り拒否をされても製作を続けた
フラゴナールは次の「もの思い」まで
後に書き上げました。
一気にもの悲しいトーンになっていますね。
ルイ15世を亡くしたデュバリー夫人を示唆しているとも解釈されているそうです。
ポンパドール夫人は早逝して、
ある意味では幸せでしたね。
この絵画の世界そのままの
贅沢な生活を送っていたデュバリー夫人は
まさか自分が断頭台の露と消えるとは
思ってもみなかったことでしょう
お部屋の様子がよく分かり、
絵画の彫刻が暗示している内容の解釈も
面白いので、ご興味のある方は
是非ご覧になってください。
「The Pursuit 」で
「女性が逃げる、そんなに早くなく」
と言うところで思わず笑っちゃいました。
古今東西、恋愛の駆け引きは似てますね