(前回までのあらすじ)

生物の成績のみを上げるため、T先生(だんご似)にハニートラップを仕掛けたという、根も葉もない噂がまかり通る校内。女子高生かおちゃんの行く末は?!


❪第3話 全国トップクラスの成績の女(但し、生物限定)

しかし、生物の成績が多少いいというだけで、なぜ、そんな妄想が暴走するのであろうか......?

確かに。

確かに、私の成績は、十人並み。

しかし、唯一の武勇伝が、私には、ある。

あれは、高校入学した直後の5月の出来事。

一年生の中で、全国統一模試という、中学3年間の学力レベルを測る試験が繰り広げられた。

私、こう見えても(どう見えているかは知らんが)小学生の頃は、教科書を読んだだけで内容を理解し、テスト勉強しなくても、90点以上は確実に取れていた( ゚∀゚)ノ

(失点は、すっげーくだらねぇ凡ミスが殆ど。そういう事実を見ても、注意力散漫な、ちょっと『アレ』な私の幼少期は容易に想像できるでしょう....)

そこからは、基礎力はそこそこ有るけれど、準備やら集中が苦手で、上の学年に上がるほどに、成績は反比例。

そんな訳で、他の4教科は、全国平均より上ではあったが、まあまあ普通の成績。

ただ。

ただ、その全国模試の生物の成績だけが、異様にずば抜けていた。

全国順位4位。校内順位は1位。

しがない地方の公立高校での、いち生徒の武勇伝。
自慢するほどの交遊関係もさほどなく、近しい友人にのみ、ちょい自慢する程度であったのだが、本人の知らない所で情報は錯綜するものらしい。


高校前の生協で、メローイエローをイッキ飲みする、そんな凡庸な女子高生は、




しらずしらずに、

『生物のみ、全国トップクラスの成績の女』

そんな称号を、周囲の人間から頂いていたらしい。

しかし、

違う違う!そうじゃない!!



私は、天才でも秀才でも、何でもない。

それが、何故、単独教科のみとはいえ、全国レベルの点数を叩き出すことができたのか。

それは.........

(続く)