2017年、7月。
梅雨の合間の
ギラつく太陽からの、
アスファルトの輻射熱( ;´・ω・`)
そんな、
不快指数1000%な交差点の
茹だるような空気の中を
愛用のサンバイザーを目深にかぶり
マダム ダース・ベイダーと化して
電動自転車で駆け抜けていたら、
つんざくように
少年の悲鳴が鳴り響くのを、聞いた。
『ギャー!!。゚(゚´Д`゚)゚。』
( -_・)?
またまた、事件の香り?
こ、これは、また!
来たーーー!!ヽ(゚д゚ヽ)(ノ゚д゚)ノ!!
見た目はオトナ!
頭脳は子ども!!
『迷』探偵スギタ、降臨ε=ヾ( ・∀・)ノ
啼き声に視線をふると,,,
?!
小学校低学年くらいの男児の
自転車の後部座席から下ろした左足が、
がっちり後輪部分にはまりこんでいる?!
泣き叫ぶ男児。
自責の念一杯の表情で青ざめ
あわてふためく母親と思われる人物。
母子、ピンチ!
が、しかし、
そこはやはり、
『迷』探偵スギタ( *・ω・)ノ
スギタがおろおろしている間に、
周囲の行きずりの往来者の
華麗な連携プレイが
既に
目前で展開されている。
救急隊、消防隊を要請し
不安と恐怖で一杯の母子の側について、
懸命に励ます主婦!
自転車の後輪の
スポークを切るためのカッターを求めて
自転車屋さんを探し求める
女子高生二人!
消防隊とカッターの到着を待つ間、
少しでも動くと恐怖で痛みが倍増する
少年の姿勢を保つために
身体を支えるおっちゃん!
待つ時間というものは、長いもの。
その他の人々も、
声声に励まし勇気づけながら
ヘルプの到着を待つ。
「持ってきました!これなら、
(スポークが)切れるって、
自転車屋さんがゆうてました!!」
熱風のような空気を割るように
真っ赤な顔をして
カッターを右手にダッシュしてくる
女子高生が、
この緊迫したムードの中、
何とも健気で微笑ましい(*´~`*)
「おっしゃ!姉ちゃんありがとう!」
と、スポークをカットし始めるおっちゃん。
これぐらいはお手伝いしようと、
動く後輪を両手で押さえて、
カットの力がポイントに一定に入るように
サポートするスギタ。
そして、
一本切れた瞬間、少年の足が弛み
周囲の者が安堵の空気に包まれた
その、瞬間,,,
「何かあったんか?!」
,,,( ゚A゚ )
ピンクのアロハを着た
30代くらいの兄ちゃん(?)が
人混みの合間を割り入って,,,
くるや、否や、少年の足を引っ張って
「足が、抜けへんなったんか!」
と言いながら力ずくで
引っこ抜こうとしている! ゚ ゚ ( Д )
おっちゃんが、
ピンクの兄ちゃんの手を制して
再びスポークを切ろうとしたら
「ここ!ここ切らなあかんやろ!
そこやない!ここや!ここや!」
,,,とにかくやかる、ピンクの兄ちゃん( ・∋・)
※注
「やかる」とは、やたら絡んできて
クレームやら文句を言う様のこと。(動詞)
「やから」とは、やたら絡んできて
クレームやら文句を言う人のこと。(名詞)
あ~、これ、アカンやつや,,,(*_*)
周囲の者の心のため息が漏れた時、
始めはさらっといなしてたおっちゃんも
ぶちギレて、
「アホか!じゃまじゃあ、ボケッッ!!」
と、怒鳴り付けた。
とたん、ピンクの兄ちゃんの顔は
みるみる真っ赤になって、
「アホんだら!ボケッッ!!
わーれー誰にモノ
言うとんのじゃいっ!!( :゚皿゚)」
ピンクのアロハを脱ぎ捨てて、
やはりピンクのランニング一丁になって、
臨戦体制に入る兄ちゃん。
おっちゃん含め、
それを無視する周囲の者たち。
自転車と母子と、
車輪を握りしめたスギタ越しに、
おっちゃんを威嚇する
ピンクの兄ちゃん。
泣きそうなお母さんの顔も
ビックリして涙も引っ込んだ少年の顔も
興奮しきっていて
全く見えていないようだ。
もちろん
ピンクの兄ちゃんに
周囲の空気など、
読めるはずも、無い。
そのうちに到着した消防隊が
おっちゃんと代わってスポークをカットし、
少年の足は、すっかり自由となった。
周囲の者が、少年の無事を喜ぶ中、
未だ、
「オッサン!やるのんか!出てこいや!」
と、切ないくらいに
貧困なボキャブラリーで威嚇を続けている。
周囲の一体感から
確実に浮き上がっているピンクの兄ちゃんを
相手にするのもアホらしい、と
思ったのだろう。
おっちゃんは、
少年の無事を見届けて、
立ち去っていった。
始めは純粋に、
少年のことが心配だったであろう、
ピンクの兄ちゃん。
やることなすこと空回りな、
ピンクの兄ちゃん。
少年のため、と思う行為を咎められ
最後は、
ちっぽけな自分の沽券とやらに
しがみついてた、
ピンクの兄ちゃん。
『アナタのため、は、誰のため?何のため?』
相手への純粋な気持ちが、
ねじくりにねじれて、
何故か、
他人責めという形で、
自分自身を攻撃している
ピンク兄ちゃんに、
ちょっとだけ、
始めの気持ちに戻るきっかけになればと、
「あの子の足が抜けて、
良かったですねぇ(´ω`)」
と、声をかけてみる。
それが、
『迷』探偵スギタ( ・∋・)
さっきまで周囲に無視されてたのに
急に声をかけられて
戸惑うピンク兄ちゃんは、
「そ、そ、そんなこと言うたかて、
捻挫や骨折、してるかも
し、しれへんやんか!!」
多少、ばつが悪そうながらも、
多少、方向がずれてながらも、
何となく、
自分自身に向いていた心の矢印が、
ほんの少しだけ
少年に向いたのを見届けてから、
再びサンバイザーを装着し、
マダム ダース・ベイダーとなった
『迷』探偵スギタは、
アスファルトの輻射熱を
ご自慢のハムストリングスを駆使して
ペダルを漕ぎながら
くぐり抜け、
事務所へもどったのでした♪
ちゃんちゃん♪