全勝を続ける豊昇龍を、1敗で大の里がピッタリと追う展開が続いたが、12日目、戦線に動きがあった。
豊昇龍に土。殊勲者は、昨日は11枚目のベテラン正代に敗れて3敗に後退した新鋭・小結安青錦。
優勝争いから脱落とも言える敗戦にも落ち込む様子もなく、いつも通りの低い当たりで横綱に引かせると、圧力を強めて得意の左下手。強引な小手投げで逃れようとするのを、定石通り膝を送って防ぐ。防ぐどころか踵に外掛けを食わせるような形になって、たまらず横綱が仰向けにひっくり返った。
理想通りの手順で、豊昇龍の防戦としてもそれしかない動き、これを全て見透かしたかのような反応で逃さず決め切った。詰将棋のような完封で全勝横綱を弑する新小結。末恐ろしさを感じさせる一番だった。
大の里は合口の良い霧島にあっという間に圧し勝って1敗を守っており、ついに追いついた。
ラインが下がったことで、2敗隆の勝も無視できなくなった。7枚目だが、同日大関琴櫻を圏外に追いやって10勝目。ただの平幕ならともかく、昨年名古屋は決定戦進出。九州も12日目まで首位に並走していた実力者。出足があり、調子に乗ると上位も食ってしまう。大の里にも過去2勝4敗。豊昇龍にも昨秋勝っており3勝8敗。
13日目は安青錦戦が組まれたが、もし突破するようだと14日目は両横綱のどちらかが、琴櫻、若隆景戦を崩して対戦する可能性が高い。
両横綱一騎打ちも久々に見たいところだが、ダークホースが最後まで絡むのもスパイスが効いていて面白い。
13、14日目は、期待に応えられなかった琴櫻、若隆景が横綱相手に意地を見せるかにも注目したい。