温泉でのひととき | 線路沿いの道

温泉でのひととき

みほのお父さんに連れられ、温泉に行ったことがある。

秘湯とか、そういうものではない。

町のどっかの部署がやっている、公営温泉だ。


大きくて、いかにも役場が作ったという雰囲気の建物の中に

設備の整った浴場がある。

俺とお父さんはならんで服を脱ぎ、湯船につかった。


その昔、俺がまだガキの頃、家に風呂がなかったので

銭湯に通っていた。

父と一緒に。


みほのお父さんと温泉に浸かりながら、そんなことを思い出す。

湯上りに、お父さんはコーヒー牛乳を買ってくれた。

40歳と51歳が並んでコーヒー牛乳を飲み

他愛のない話をした。


また、あの温泉に行きたい。