雪とけんか | 線路沿いの道

雪とけんか

付き合いだして最初の冬だった。

ひょんなことでケンカになり、俺は車をそこに捨てて

歩いて去ったことがある。


その日は大雪で、街は雪景色だった。

家までの道のりは、15キロくらいだろうか。

なぜか腹が立って、どうしようもないくらい頭に来て

凍った道をひたすら歩いた。


えらく早足で歩いた記憶がある。

子供のように意地になって、白い息を吐きながら歩いた。

そうやって歩いているうちにやっと

自分がなぜ腹を立てているのか分からなくなり、

途中からはスポーツ気分で家まで歩ききった。


玄関の前まで来て、体がとても冷えていることに気付いた。

全身が強ばり、ぎくしゃくしていた。


風呂に入ろう。

そう思い、バスタブに湯を張り、適温になるのを待った。

脱衣所で服を脱ぎながら、まだ帰って来ないみほを思った。

こんなに寒いのに、まだなにをしているのだろう。


みほが帰って来たのは、その少し後だった。