夜の想い | 線路沿いの道

夜の想い

また夜が来る。

生まれてからずっと、夜が好きだった。

だから、夜の仕事をしていたのかも知れない。


酔っ払いが往来する街を

小走りに歩くことは、それほど悪い感じではなかった。

そう、俺は夜が好きだった。


夜が好きな自分を、俺は嫌いだった。

夜は、甘えでもあった。

あり得ない値段で、商売が成立する。

夜の世界に許された、甘えの構造。

その世界にいる自分が、たまらなく嫌いだった。


それらも今は、どうでも良いことか。