指輪のはなし | 線路沿いの道

指輪のはなし

つきあいはじめたころ、みほはアパートにいた。

初めて泊まった日、朝になって、ふとテーブルの上にあった指輪。

それを見つけて、俺は試しに嵌めてみた。

シルバーゴールドの指輪だった。


指の細い俺は、指輪を難なく嵌めた。

みほは驚いた。


それ、はめたいの?

ん?もらっていいの?

……いいよ。


それから、あの指輪はずっと俺の左手にある。

今も、ずっと。