Alzhacker@Alzhacker
通常、より強い病原体の進化を妨げる主な要因は、病原体が宿主を殺した結果、自身の感染期間が短くなってしまうことと考えられている。
もしそうであれば、病気を減らすことはできても、感染、複製、伝播を防ぐことができない不完全ワクチンは宿主を生かすことで、より強靭な株が流通する可能性がある。

宿主が死ななくても感染力が強かったり、宿主の免疫を克服する能力が高かったりすれば、自然淘汰はさらにその循環を促進するであろう。
このように、命を救うワクチンは、(ワクチンを接種していない宿主で分析した場合)病原体集団の平均疾患毒性を高める可能性がある


この考え(以下,「不完全ワクチン仮説」と呼ぶ)の妥当性は,
数理モデルによって確認されている。
有効性と作用機序が鍵となる。
ワクチンが殺菌作用を持つものであれば、感染が止まるので、進化は起こらない。


しかし,ワクチンが非滅菌性で,免疫を受けた人から自然に病原体が感染するようなものであれば(以下「リーキーワクチン」と呼ぶ),
自然淘汰されたはずの状況でも病原株が流通することになる。


このように、抗疾患ワクチン(宿主内での複製や病原性を低下させるもの)は、
人や動物の福祉に有害な進化を生み出す可能性があるが、感染や伝播を阻止するワクチンだとそうではない。


この理論は、10年以上前に初めて提案されたときには大きな議論を呼んだが、
今回、家禽のマレック病ウイルスを用いた実験で、
現代の市販のリーキー・ワクチンがまさにこの効果を持つことを報告する。
つまり、リーキー・ワクチンは、そうでなければ致死量を超えて存続できない株の伝播を可能にするのだ。



このように、リーキーワクチンの使用は、ワクチンを受けていない宿主が重篤な疾患にかかるリスクを高める病原体株の進化を促進する可能性がある。
我々は、病原体の伝播を防ぐことなく宿主の生存率を向上させるような疾病対策を行う場合には、高病原性株の発生リスクを考慮することを提案する。