毎年1月になると、親が倒れた日を思い出す。
あの日は寒かったけど雪がなかったなー。
夢をみているような感覚だった。
血圧が元々高かったので、それが原因だった。
真夜中に救急車の赤色灯と音が近づいてきた。
自分の親の所に来るなんて思いもよらず、実感がなかった。
救急病院へ運ばれていき『朝まで、もたないと思って下さい』と宣告を受けた。
なに言ってんの?明日、家に帰れるんだよね、と頭の中で思っていた。
一睡もせず朝を迎えた。
生きてる。
生きて呼吸してる。
それだけで感動だった。
午前中になり、遠方の家族たちが続々と集まってきた。
家に帰れるのに、どうして深刻な顔してるの、と思った。
医者に家族が呼ばれ現状を説明された。
手術は非常に危険だが救命の為に手術をしても良いか、と言われた。
治療の為ではない、と言うことである。
失敗すればそのまま、この世から居なくなり、成功したとしても植物状態でしょう、と言われた。(今は使わないよね。植物人間なんて差別的な言い方)
それでも家族は即答した。『お願いします!』
それから、数時間・・・とても長く感じた。
手術室の前でウロウロした。ドラマのように椅子に座ってなんていられなかった。
その後、手術は成功したと言われたが『ただ生きているだけですから、忘れないでください』と言われた。
あの日、会話をしたような状況にはもう戻れないと言われたわけである。
それでも助かってくれて嬉しかった。