国立循環器病研究センター(国循)は、脳卒中や心臓病などの循環器疾患の究明と制圧をめざして、1977年に設立された国立高度専門医療研究センターです ![]()
そのトップとして、2021年4月1日付で理事長に就任したのが、大津 欣也(おおつ きんや)さんです。
大津さんは、1983年に大阪大学医学部を卒業して以来、心不全の原因を明らかにし、新しい治療法を開発することに心血を注いできた循環器内科の医師・研究者です ![]()
この記事では、
- 大津欣也さんがどんな人物なのか
- どのような専門分野・経歴を歩んできたのか
- 国循の理事長としてどんな方向性を打ち出しているのか
といったポイントを、できるだけわかりやすく整理してご紹介します。
大津欣也とはどんな人物?プロフィールと専門分野を紹介
国立循環器病研究センター(国循)の理事長として2021年4月に就任した大津欣也さん。
長年にわたり循環器疾患に向き合ってきた医師であり、心不全の原因解明や新しい治療法の開発に力を注いできました。
1983年に大阪大学医学部卒業後、国内外の研究機関で経験を重ね、2012年からは英国キングスカレッジロンドン循環器科の教授としても活動。自ら「国循は憧れだった」と語る大津さんは、どのような道を歩み、どんな視点で循環器医療に向き合ってきたのでしょうか ![]()
国立循環器病研究センター理事長としての役割
国循は1977年の設立以来、循環器疾患の究明と制圧を目的として発展してきたセンターであり、その舵取りを担うのが理事長の役割です🫀
就任にあたって大津さんは
- 国循の持つ潜在能力を最大限発揮すること
- 患者さん、日本の循環器医療、地域医療へ貢献すること
を理事長としての大きな目標として掲げています![]()
さらに、循環器病克服のための基本法が2019年12月に施行され、循環器疾患の究明と制圧が「国を挙げてのプロジェクト」となりました。こうした状況の中で、大津さんは国循がその中心として健康づくりに貢献していくことを意識しています。
理事長としては、国循の病院・研究所・オープンイノベーションセンターといった各部門の機能を有機的に連携させることで、研究・診療・予防・教育といった多面的な取り組みをさらに前進させていくことが求められている、と言えるでしょう。
専門とする領域|心不全研究に心血を注いできたキャリア
大津欣也さんが長く取り組んできた分野として、心不全の研究があります。
わが国の死亡原因の第2位である心不全の原因を明らかにし、新規治療法を開発することに心血を注いでまいりました。
引用元:KOKUJUN Press
というコメントからも、心不全を中心に循環器疾患の研究や診療に力を注いできたことがうかがえます。
心不全は日本の死亡原因として大きな割合を占める病気であり、その原因の解明や治療法の開発はとても重要なテーマです。大津さんがこの領域に深く関わってきたことは、キャリアを語るうえで欠かせないポイントだと言えるでしょう。
海外・国内での豊富な研究実績
〈略歴〉
- 1983年 大阪大学医学部卒業
- 1983年 大阪大学医学部附属病院 研修医(第一内科)
- 1984年 米国国立保健衛生研究所国立老化研究所 研究員
- 1988年 トロント大学バンティングベスト医学研究部 研究員
- 1991年 ニース大学生化学センター 客員研究員
- 1992年 大阪大学医学部附属病院 医員(第一内科)
- 1997年 大阪大学医学部 助手 (第一内科)
- 2005年 大阪大学大学院医学系研究科 助教授(循環器内科)
- 2012年 英国キングスカレッジロンドン循環器科 教授
英国心臓財団 教授(BHF Chair of Cardiology(兼任)
大津さんのキャリアを見ていくと、日本だけでなく、海外でもたくさんの経験を積んできたことがわかります
まず日本では、大阪大学医学部を卒業したあと、附属病院の第一内科で研修医として働き始め、その後も医員や助手、助教授として長く循環器の分野に携わってきました。
そして、アメリカの研究所をはじめ、カナダのトロント大学やフランスのニース大学など、いろいろな国で研究に取り組んできました。さらに、2012年から9年間はイギリスのキングスカレッジロンドンで教授として活動し、日本の医療や研究を海外から見つめるきっかけにもなったそうです。
こうした国内外でのキャリアを経て、現在は国循の理事長として、日本の循環器医療と地域医療に貢献する立場にあります。
「国循の3つの柱」
研究・教育・イノベーション
国循は医療機関であると同時に、循環器疾患の研究・教育・技術開発の拠点でもあります。
病態解明から治療法開発、将来の医療を担う人材育成まで、循環器医療を支える基盤づくりを幅広く進めています🫀
また、次世代医療機器や医薬品の創出を目指すオープンイノベーションセンターなど、未来の医療に向けた取り組みも充実しています。
基礎研究と臨床の連携による新規治療法の開発
国循の研究所では、循環器疾患の病態解明や診断・治療・予防法の開発に向けた研究が行われています。病院と深く連携しているため、臨床現場の課題が研究へと反映されやすく、研究成果を医療へ届けるサイクルが構築されています。
若手医療従事者の教育と「医療の伝道師」の育成
国循の教育推進部では、基本的な医療技術の習得から最新医療機器の操作・管理までを学べる環境が整っています。大津さんは、循環器医療の全国的な均てん化も使命のひとつと語り、若手医療従事者を育成することで全国への高度医療の普及を目指す姿勢を示しています。
オープンイノベーションセンターの役割(創薬・医療機器開発・データ統合)
オープンイノベーションセンターでは、臨床ニーズと研究成果を結びつけ、次世代の医療機器や医薬品の創出に取り組んでいます。
併設されている施設には
- 創薬オミックス解析センター
- 患者試料を蓄積するバイオバンク
- 全国の臨床データを収集する「循環器病統合情報センター」
などがあり、医療研究の基盤として重要な役割を果たしています。
大津欣也氏が描く国循の未来像
ここでは、大津欣也さんがどのような未来を国循に描いているのか、そのポイントをわかりやすくまとめていきます。
世界標準の研究機関としての進化
大津さんは、国循の各部門が持つ優れた機能を「有機的に連携させること」で
より大きな成果を生み出せると考えています。
そのうえで、
- 日常の医療は地域の医療機関が担う
- 新しい診断法・治療法の開発
- その成果を日本だけでなく世界に発信すること
を国循が担うべき役割として位置づけています。
国循では、病院・研究所・オープンイノベーションセンターの3つが同じ建物の中にあり、診療と研究が日常的に連携できる環境が整っています。こうした仕組みを活かしながら、世界レベルの研究を進めていこうという姿勢がうかがえます。
地域医療との連携強化
大津さんは、地域の医療機関との連携を非常に重要視しています。
理想の医療体制として挙げているのは、
- 日常の医療は地域の医療機関が担う
- 高度医療が必要なときだけ国循が責任をもって対応する
- 国循での治療が終わったら再び地域の医療機関にバトンタッチする
という循環です。
こうした役割分担ができることで、患者さんにとって最も望ましい医療体制が整うという考え方です。
大津さんは、この連携を進めていくために、病院長とともに力を尽くす姿勢を明確にしています。
全国への高度医療普及と人材育成の推進
国循の使命として、大津さんが挙げているのが「循環器医療の全国的な均てん化」です。
循環器病克服のための基本法が施行され、循環器疾患への対策が国の重点領域となった今、国循には高度医療を全国へ広げていく役割が期待されています。
その実現の鍵となるのが「若手医療従事者の育成」です。
大津さんは、教育を通じて高度医療を各地域に伝える“医療の伝道師”を育成していくことを強調しています。
国循で培われた技術や知識が全国に広がれば、地域格差の軽減にもつながり、より多くの患者さんに質の高い医療が届くことが期待されます。
自ら未来を選び取る姿勢と国循の発展への意欲
大津さんは、就任メッセージの最後に、アメリカの政治家 William Bryan の言葉を紹介しています。
“Destiny is no matter of chance, It is a matter of choice.”
(運命は偶然がもたらすものではなく、選択がもたらすものである)
引用元:KOKUJUN Press
この言葉に込められたのは、「待つのではなく、自ら機会をつかみ取る」という姿勢です。
大津さんはこの考え方を大切にしながら
- 国循をさらに進化させること
- 着実に一歩一歩進み、世界最高峰の循環器病研究センターを目指すこと
に全力で取り組んでいくと述べています。
理事長としての強い意志と、国循の未来を切り拓こうとする前向きな姿勢が伝わります。
まとめ|大津欣也氏が導く国循のこれから
国立循環器病研究センターの理事長として、大津欣也さんは「地域に根ざしつつ、世界最高峰を目指す」という姿勢を明確に示しています。
心不全研究に長く携わり、国内外の研究機関で経験を重ねてきた大津さんだからこそ、国循の持つ病院・研究所・オープンイノベーションセンターが一体となった強みを、今後の循環器医療に最大限活かしていけるのだと感じます。
循環器病克服の国家プロジェクトを支える中核として、地域医療との連携、若手医療従事者の育成、そして新しい診断・治療法の開発を進めていく国循。大津さんの率いるセンターが、これからの循環器医療にもたらす変化に注目していきたいところです ![]()
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