藤井フミヤ記事:4年ぶりの自身の作詞作曲によるシングル「今、君に言っておこう」
歌手、藤井フミヤが4年ぶりの自身の作詞作曲によるシングル「今、君に言っておこう」を発表した。伝えたいのは、大切な人と過ごすありふれた日常への感謝の気持ち。「今日こうやって生きていることは、とても奇跡的なことだから」。雄大で、少し懐かしく切ない調べが、胸に深くしみこんでくる。
この曲は、ひきこもりの兄と白血病と闘う妹の絆(きずな)を描いた映画「おにいちゃんのハナビ」(公開中)の主題歌。楽曲提供の話を持ち込まれたとき、実はすでに「原石のようなもの」はできていたという。
影響を受けたのは「はまっている」という五木寛之さんの著書。「人間の運命」「親鸞」など運命とは何かを問いかける本を読みふけるうち、「好きだ嫌いだ、会いたい、といったことではないものを書こう」という気持ちが高まった。
常々、「人間という存在や命の不思議さを考えさせられる」という藤井。9年前の「9・11」(米中枢同時テロ)も心に残っていた。「今晩のディナー、どこどこで何時ね、って感じで出かけていったのに、二度と帰らぬ人になった。ぼくたちは明日があるのが当然のように生きているけれど、これほどあやふやなものは実はないんですよね」
そんな思いが結実したのが、「今、君に言っておこう」。歌詞は漢字とひらがなで書かれ、英語などはない。「若いころは横文字がかっこいいと思っていたけれど、今はそういう気持ちはほとんどない。だって歌を聴いてくれるのは日本人だから」
一語一語、丁寧に言葉をつむぎ、思いを伝えるためさまざまな本を読んで言葉への鋭敏な感覚を養っている。「文体をよく知りたいので、斜め読みはできないんですよ」。コンサートなど移動の多い生活だが、いつも数冊の本と一緒だ。
11月半ばからは全国ツアーを開始する。「今、君に言っておこう」のほか新曲を披露する予定。「終わったときに、もう2時間たっているんだ、と浦島太郎のような気分になってもらえるようなライブをつくりたいですね」
関西での予定は、11月20日、びわ湖ホール▽12月4日、大阪国際会議場▽同18日、神戸国際会館▽1月22日、23日、大阪国際会議場▽2月18日、尼崎アルカイックホール▽同19日、京都会館第一ホール。全席指定6800円。キョードーインフォメーション(電)06・7732・8888。
http://www.youtube.com/watch?v=OHeOfFc1GPQ