名画ご紹介:息子 | リストクラッチ・エクスプロイダー

名画ご紹介:息子

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TSUTAYAで100円でレンタルをやってたので(笑)

久々に見たくなって借りてきました。

椎名誠の短編が原作。妻に先立たれ、ひとりで岩手に暮らす父親と、定職につかずアルバイトで気ままに暮らす息子の二人を描いた家族ドラマ。

三國連太郎が一応主演、永瀬正敏が前半は主演となってます。

監督は山田洋次。「寅さん」シリーズ、「学校」シリーズ、「たそがれ清兵衛」で有名な職人です。

私はあんまり山田洋次を評価してませんが、この作品はとても好きです。

特に永瀬正敏が活躍する前半から、後半に仕掛けとなる部分。

ちなみに永瀬正敏は幼少の時、医者の帰りに見に行った実写映画版「みゆき」で初めて知りました。なんとあの井筒和幸監督作品!(笑)

それからですからね。ほんとに映画俳優としての徹底振りが素晴らしい方です。


さてさて、前半はやる気のないアルバイト永瀬正敏が主人公。

亡くなった母の一周忌に岩手に戻りますが、ここで父(三国連太郎)に馬鹿にされたように扱われます。

長男とは違い、定職につかずにフラフラしている。

東京に戻っても相変わらずフラフラ。鉄工所に勤め始めますが、1日でやめる気持ちになってしまいます。

しかしながら、ある客先に美しい事務員を発見、一目惚れしてしまいます。その美しい事務員が和久井映見。

次の日から、その美人事務員に会う楽しみの為だけに仕事に真面目に取り組みます。

やがて、その気持ちをはっきり伝える為に、彼女の仕事終わりをつけます(今ならストーカーと言われますね。。)。しかしつけた事がバレて、無理矢理気持ちを伝えますが、彼女は恐怖からか、何もしゃべらず。

その後、他人から彼女が聾唖者であると聞かされます。

「あんなに美人なのにねえ…」
という言葉に、永瀬正敏は
「…なんだ、聾唖のどこが悪いんだ!」
と叫びます。

くだらない理由から始まったものの、生まれて初めて真剣に仕事に取り組み、人を愛した息子。

一方、東京に同窓会に来た父が、長男の家に遊びに行きます。長男は一緒に東京で住もうと提案しますが、父は固辞します。

また、心配になって、次男宅にも寄る父。そこで、すっかり仲良くなった息子の恋人に会います。手話で会話する息子と恋人。

一緒になる、と聞いて、驚きながらも静かに喜びます。

息子の恋人と会話するためのFAXを購入して、雪深い岩手に戻る父。


というストーリーです。

永瀬正敏と和久井映見が話せないながら会話しようとする姿は、とても瑞々しいシーンです。

また三国連太郎が初めて和久井映見と会って、息子永瀬正敏と真剣に話す姿や、手話で永瀬正敏と和久井映見が話すシーンは感動的です。

だいたいネタバレしてしまいましたが、それでもなかなかいいシーンが次々見られますから、面白いと思います。

今は亡き、いかりや長介さんが気の良い鉄工所の親方をやっていたり、田中邦衛さんが独り言で文句ばかりつぶやく運転手役に出ていたりと、いいキャラクターが脇を務めています。

レオナルド熊さんもいましたよ(笑)

また、同時期に公開された北野武監督の
「あの夏、いちばん静かな海。」
も聾唖者が主人公。この2作品、比べても実に面白いです。

瑞々しい表情と手話を使って感動的なシーンを演出した「息子」、手話でなく音が聞こえない事を利用して感動的なシーンを演出した「あの夏、いちばん静かな海。」

どちらもめっちゃ泣けます(^_^)v