映画:ラブリーボーン | リストクラッチ・エクスプロイダー

映画:ラブリーボーン

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これ、ウケてるらしいですわ(笑)

ほんまか?(笑)

なんとなく、この不思議さや非情さ、それから意味不明な世界観っていうのは、私は映画の味付けなんで、気にしないと言うか。

だから、女性にウケていると聞いてちょっと意外でした。

ちょっと大林宣彦監督の名作「ふたり」と比較してみましょうか。

「ふたり」は…
優等生の姉(中嶋朋子)と、トロくて夢見がちな妹(石田ひかり)は尾道に幸せに暮らしていた。ある日、坂に止めていたトラックに姉がひかれ、亡くなってしまう。難を逃れた妹は、目の前で姉の死を目撃してふさぎ込む。しかし、妹は幽霊として出て来る姉と会話しながら、課せられた運命と向き合い、次第に秘められた能力を発揮して、成長していく。

というストーリー。

ちなみにめちゃめちゃ名作で、大林作品の中でも一番好きな映画です。オススメします。

さらにちなみに久石譲が音楽を担当。主題歌「草の想い」も作曲(作詞は確か大林宣彦、桂千穂)。

んで、「ラブリーボーン」は…
姉の主人公が、近所の変態おじさん(爆)に目を付けられ、とてもクール(笑)な秘密の部屋を見せられる。そこで抵抗し、殺害されて、天国の手前の場所に行く。好きだった人や、妹達を見つめながら、成長していく。妹が成長したり、父が懸命に犯人を追ったり、母が精神的に参って家を出たり、と家族の成長と波乱の物語。

というストーリー。

「ラブリーボーン」は「ふたり」とは反対に、死んだ姉から見た物語と見ればわかりやすいですね(「ラブリーボーン」は弟も祖母も出て来るがメインは父母と妹)。

似た点は、
○死んだ姉が生きている人となんらか交流する。存在に誰かが気付く。
○妹が成長し、恋もして、また物語のキーパーソンになる。
○姉の死をきっかけに両親がおかしくなるが、やがて収束する。

…ま、ちょっと無理矢理かな?(笑)

違う点は、
○姉は「ふたり」はトラック(トレーラー?)事故、「ラブリーボーン」は連続幼女殺人鬼に殺害されて亡くなる。
「ふたり」トラック運転手は姉の亡くなった場所に花を添えるが、
「ラブリーボーン」は反省せず、妹に目を付けたり、ラストでは性懲りもなく犯罪を続ける。
といった具合。

「ふたり」のように、亡くなってしまった後、幽霊が見守る話は古今東西よくある話ですが、「ラブリーボーン」みたいに亡くなってしまった本人視点の映画は珍しいですよね。それだけ特異なのですが、女性の心を捉えているようです。

確かにこの女の子は“インビトウィーン”の世界でも生き生きとしているし、妹が成長していく中でジェラシーも抱きます。また友人を経由して彼氏とキスもします。

結局生きている人間とあまり変わりはないわけです。

そして姉を殺した犯人を捜す、父と妹が凄まじく健気で、そこに姉が存在を示して一緒に戦うからシンパシーを感じるのでしょう。

で、犯人役の役者は、ハリウッド版「Shall We Dance?」で、日本版でいう竹中直人さんを演じた人。「ターミナル」での意地悪な警備隊長と言った方がいいですかね?

多分オファーされて、喜び勇んでやる役じゃないですよね(笑)

とても大変な役割だと思います。凄まじく狡猾で、非情な役。良く受けたなあ、と思います。

しかしまあ…単に涙、涙ではないダークファンタジーの怪作。

こんな終わり方で、よく通った企画だなあ、と。

良くも悪くもハリウッドが変わってきてるのかなあと思える、実に東洋思想っぽい部分がある作品です。