大相撲を10年半、ちゃんこ屋を苦節13年の
元力士の観点から大相撲を語ります!
第十三回は「琴錦」
または呼び出しさんとかに戻るのかなんて
思われたかと思いますが…
今回は琴錦関です 。現在の朝日山親方です
幕内優勝2回、殊勲賞7回、敢闘賞3回
技能賞8回と、この結果を見ても最強の三役
限りなく大関に近い力士です。
私が在籍していたのは、二所ノ関部屋。
同じ二所一門の佐渡ヶ嶽部屋、力士のシコ名
に「琴」が付く部屋で、部屋も近くにあり
東京場所前には一門の連合稽古がありました
佐渡ヶ嶽部屋は、常に力士が大勢いて何故か
年功序列の様に強くなる部屋でした。
当時は「七琴」と呼ばれるくらい幕内力士は
七名、幕下、三段目にも有望力士がひしめい
ていました。
その部屋でトップの実力の力士が琴錦関で
ございました!
当時は、気性も荒くヤンチャで若い力士の
中では怖くて目も合わせられないくらい存在
でございました。今でもシコ名を聞いただけ
でオシッコ漏らす佐渡ヶ嶽部屋の元力士は
いるとか、いないとか…
二所ノ関部屋で行われた二所一門連合稽古。
そこで私が目の当たりにしたのは衝撃的過ぎ
て今でも忘れられません…
なんと琴錦対その他の幕内力士という図式
琴錦関が一人で、他の関取衆と稽古をする
琴錦関の激しい立会いの当たりでいっぺんに
稽古場の壁、羽目板と言うのですが…
バリバリの幕内力士が、ノド輪で押されて
羽目板にバーン!何度もバーン!
私が付き人についていた大善関も羽目板に
バーン!あの大善関までもが羽目板バーン
んでした。正直、マンガやんって思いました
速さと上手さと力強さに感動しました。
一つ私が自慢出来るのは、平成三年九月場所
で琴錦関が1回目の幕内最高優勝をしたの
ですが…その時、私が序二段優勝しました。
「おう!チャンピオン」なんて声を掛けて
頂いたのですが、当時の私はアドリブも一切
分からないピュア力士だったので…
「あぁ…ごっ…ごっつぁんです」みないな
全く面白くない感じの空気になってしまい
ました。今なら粋な返しが出来たのにな〜