大相撲10年半、ちゃんこ屋を苦節13年の
土俵のど真ん中の華やかな所だけお客様から
元力士の観点から大相撲を語ります。
第九回は「行司」
レフェリーです。勝った方に「軍配」を差し
向けます。
行司さんは特例はありますが基本、年功序列
でテレビに映っている行司さんは40歳〜65歳
の間です。
あのきらびやかな装束は100万円〜130万円
くらいといわれています。…
行司さん八階級あり見た目で位が分かります
階級 | 房の色 | 履物 |
1. 立行司 a. 木村庄之助 b. 式守伊之助 | 総紫 紫自 | 白足袋に草履/短刀 白足袋に草履/短刀 |
2. 三役格行司 | 朱 | 白足袋に草履 |
3. 幕内格行司 | 紅自 | 白足袋だけ |
4. 十両格行司 | 青自 | 白足袋だけ |
5. 幕下格行司 | 黒または青 | 素足 |
6. 三段目格行司 | 黒または青 | 素足 |
7. 序二段格行司 | 黒または青 | 素足 |
8. 序ノロ格行司 | 黒または青 | 素足 |
今現在の、最高位に位置する式守伊之助さん
は56歳ということで定年までは、まだ9年も
あります。一、二年の間に木村庄之助に
なるのでは?
立行司(木村庄之助と式守伊之助)は腹に
短刀を差しているのはなぜか…
帯刀は、差し違えたとき、切腹して責任を
とる覚悟であるというほどの決意を表す
ものです。
大関と横綱の競技が真剣勝負なら、行司の
勝負判定も命がけであるというわけです。
立行司は「差し違え」た場合、進退伺いを
理事長に出すのが慣行です。
因みに、帯刀は覚悟の意思表示であって、
判定を差し違えたら切腹して責任を取る
ということではありません。
実際、差し違えて、切腹したという記録は
ありません。
差し違えて辞めた立行司はいます。
土俵のど真ん中の華やかな所だけお客様から
見えますが、行司さんの仕事は裏方業務を
ほとんどやっているんです。
地方巡業や電車の手配や宛名書きやら沢山
やっています。
その中でも「相撲字」は行司さんが書きます
番付表も行司さんが書いてます。
爪楊枝に名前が書けるくらいの技術がある
一年の半分しか居ない大変なお仕事でござい
ます。