横綱照ノ富士(てるのふじ)と、米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(おおたに・しょうへい)選手のあいだには、ある共通点があるのではないか。
同じスポーツ選手とはいえ、競技種目も内容も、出身国やそれぞれが歩んできた道も何もかも、まったく違います。大谷選手が大リーグアメリカン・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれ、話題になっているからといって、強引に結びつけるのはおかしいぜ、と言われそうです。
そうかもしれません。が、それでも相通ずるものが確かにあります。
何か。結論から言うと、それぞれの分野で頂点に立ちながら、両者ともそこにとどまる気配がまるでないことです。
照ノ富士は深刻なけが、病気などで大関から序二段まで陥落しながらも、先場所、ついに念願の横綱を引き寄せました。
力士になった以上、横綱昇進は最大の目標です。普通なら、これだけでも十分な気がしますが、初日からの相撲を見ていると、これまでとは違った進歩と、成長はまだこれから、という気迫が伝わってきます。
2日目の大栄翔(だいえいしょう)戦では、強烈なおっつけで土俵際まで押し込まれました。ひざに故障を抱える横綱にとっては最大の弱点です。もはやこれまで?と思った次の瞬間、土俵際で右からのすくい投げで大栄翔を裏返しました。
どんな状況になってもあきらめない。場所前の存分な稽古なくしてあり得ない動きでした。
大谷選手は、MVPになっても、リーグで一番優れた選手になったという気持ちはないし「そう思う日はおそらく来ないと思う」とコメント。頭を占めているのは、来年どうたたかっていくか、しかないようです。
まったく異なるスポーツ分野にもかかわらず、土台では通じるものがあると考えたのは、こういうわけです。
こういう解釈は強引ですか。
7日目、照ノ富士は、先場所千秋楽まで優勝争いに加わった妙義龍(みょうぎりゅう)を、小手投げで一蹴しました。