大相撲4日目幕の内の取組では、審判から物言いがつく勝負が多かった。
翠富士―玉鷲戦もその一番。玉鷲の手が先についたとして翠富士の勝ちという審判の説明には、思わず笑ってしまった。
前日3日目の琴桜-翔猿(とびざる)戦では、だれが見ても琴櫻が先に落ちて両手をばったりついた。にもかかわらず、物言いもなく、審議もしないまま、琴桜の勝ちとされた。翔猿が強い不満のしぐさを見せたのは当然だ。
この判定にネットや新聞などで厳しい声が上がった。当然だ。それを気にしたのか、4日目は物言いが3番もつき、前日とはまるで逆の説明。であれば、前日のもつれた一番もビデオ室と連絡を取り合い、きちんと審議すべきではなかったか。
審判の諸氏も見ていると思うが、野球やサッカーでは疑問のプレーには監督らが異議を申し立てる制度がある。提起されれば審判がビデオ映像で見直す。
しかし大相撲にはそういう仕組みがない。審判が手をあげて物言いをつけるか、土俵下の力士が異議を申し立てない限り、疑問のプレーや結果を見直せない。
最近は力士が物言いをつけるといったことはほとんどないから、審判が手を上げるかどうか、これしかないのです。
3日目の琴櫻勝ちの判定に、土俵回ㇼに座っていた審判員たちは「翔猿の体が飛んでいた」などといろいろ言い訳をしている。でも、飛んで反撃できないはずの力士が、相手の手が先についていたとして判定がひっくり返った例など過去に何番もあったじゃないですか。
とにかく疑問が出るような判定にはきちんと物言いをつけ、ビデオという最新機器もフルに活用して、一番一番の勝負の判定には気合を入れてやってもらいたい。
1勝、1敗の重みをさんざん経験している審判のみなさん、頼んますよ。