8日目から出場した元大関朝乃山(東前頭筆頭)が9日目、大関霧島に敗れました。
激しい攻防、見ごたえある内容でしたが、土俵際でもつれて物言いがつきました。協議の結果、先に手がついているということで、朝乃山の2勝目はなりませんでした。
取り組み後、朝乃山は「最後は足がついて行かなかった」と振り返っていますが、この相撲を見ながら、改めて力士の体重について考えさせられました。
巨漢同士が、頭から激しくあたり合って繰り広げる相撲は、迫力があります。
ある研究者によると、力士が当たり合ったときの重量は1トン以上にもなるそうです。
ただ、最近の力士は大きくなりすぎていないですか。
幕内の平均体重約160㌔。迫力はあるにせよ、淡泊な取り口が増え、面白い相撲が少なくなってはいないですか。
過去の横綱の体重を調べてみると、日馬富士は133㌔、朝青龍154㌔、貴乃花150㌔。
少しさかのぼって千代の富士が126㌔、大鵬153㌔、初代若乃花が105㌔、大横綱双葉山は128㌔でした。
彼らの取り口を、ビデオを含めて見ていると、敏捷な攻防相撲が多く、いまでもワクワクします。
体格の違いは、当時と比べて食生活が大きく違うことは確かです。
ただ、過体重の力士とそうでない力士とでは決定な違いがあります。
体が大きく、重すぎると、自分で思うような動きができなくなることです。
相手の敏捷な動きについていけなくなる。けが、故障が増えています。
休場明けとはいえ、172㌔の朝乃山が、145㌔の霧島の動きに最後までついていけなかったのは、この体重の差も無関係ではないと思います。
相撲の醍醐味は、攻めてしのいで、さらにせめぎ合う取り口です。
巨体が激しくぶつかり合い、一気に決めてしまうだけでは、ちょっとさみしい。
指導者は〝大きな体をつくれ、飯を食え〟〝頭からガンガン行け!〟だけでなく、この際、体づくりをじっくり考え、取り組んでほしいと、思います。
長年相撲を見、愛してきた素人ファンの切なる願いです。
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