九州場所千秋楽は、三つ巴の優勝決定戦という、劇的な展開になり、平幕の阿炎(西前頭9枚目)が初優勝を遂げた。休場明けでこの快挙は見事だった。
何とか初優勝をと、千秋楽まで優勝争いを引っ張ってきた元大関・高安の悲願は、今回も実らなかった。またもや、である。
しかし何度敗れてもあきらめず、挑戦し続けた高安のたたかいは、相撲ファンの心を揺さぶった。その努力は、決して無駄になることはない。
心からお疲れさま、といいたい。
その一方で、正代が負け越して大関を陥落、御嶽海の大関カムバックもならず、来年の初場所は1横綱1大関となる。
1横綱1大関の番付は、明治時代の1898年1月の春場所以来125年ぶりというから、実に珍しい記録だ。
振り返ってみると、横綱、大関に昇進し、期待を集めながらこたえられなかった力士は少なくない。
最近の例でも、元大関の魁皇(現浅香山親方)は、2011年7月の引退まで13回、カド番に立った。
元大関の千代大海(現九重親方)はカド番14回。2009年は年間90日の本場所で、勝ったのはわずか30番だった。
正代の5回のカド番が、かわいい数字に見えてくる。
元横綱の稀勢の里(現二所ノ関親方)に至っては、横綱昇進後に勝ち越したのは2回だけ。横綱在位12場所で8場所も休場している(途中休場含む)。
昇進をめざしていかに膨大なエネルギーを費やしてきたことか。目標にたどりついたものの、もはやたたかうエネルギーは残っていなかったのかもしれない。
だとしても、駆け上がるときの勢いを見ている相撲ファンにすれば、じつに寂しいことだ。
他方で、大関や横綱昇進後、強さに磨きがかけてきた力士も少なくない。彼らに共通するのは、番付を上げてもコツコツと、時には激しい稽古を、休むことなく積み重ねていることだ。その鍛錬が、新たなエネルギーを生み出している。
〝相撲の稽古よりゲームやっている方が好き〟では、たたかう力が枯渇してしまうのは当たり前だ。
挑戦する気持ちを持ち続けられるかどうかが、試される新年になる。
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