先の名古屋場所で、強く印象に残った力士がいます。幕下東38枚目の𠮷井虹(こう)=時津風部屋所属=です。
事実上の優勝決定戦となった一番で、同じ全勝のカザフスタン出身の金峰山(きんぼうざん)を破って初優勝を決めました。
金峰山は、日本大学相撲部で鍛えられ、学生相撲で活躍。相撲界入りすると三段目、幕下で優勝するなどの実力者。誰もが彼を優勢と見てきましたが、𠮷井はきわどい勝負でその金峰山を下しました。
優勝インタビューで𠮷井は「中卒力士の力を見せられたらいいな」と言う気持ちで決定戦に臨んだと、胸を張りました。
昨年11月には、稽古中に右手の親指の靱帯を断裂する大けがをして、初場所を全休。その悔しさもはらしたいという強い気持ちだったようです。
学生相撲出身全盛期のいまの相撲界で、彼の活躍は、大きな刺激になりそうです。
𠮷井が最初に入門したのは、元中川部屋でした。元前頭旭里が率いてきた部屋ですが、親方が弟子に日常的の暴力、暴行を振るっていたことが明らかになって、一昨年、部屋の閉鎖処分がされました。
同親方は弟子に対して日頃から「ぼんくら!」「殺すぞ!」「うざいんだよ!」と口汚くののしってきたそうです。苦しんだ弟子が撮った映像からその赤裸々な実態が明らかになり、言い逃れができず、相撲界を去りました。
相撲界に、いまだそんな破廉恥な指導者がいたのも驚きますが、𠮷井は当時、どんな思いで過ごしてきたのでしょうか。
それでも頭を垂れず、部屋の移籍、大けがなどあわただしいなか環境の中で、歯を食いしばって努力してきた18歳の𠮷井。
新しいホープの誕生かもしれません。
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