〝台風の目〟になった逸ノ城  | ハッキヨイ!よっちゃん相撲日記

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 大関に期待は無理、横綱の膝も不安…となると、場所を引っ張るのは二人の関脇か。

 場所前、そんな予測もしていた。しかし、幕を開けてみると若隆景、大栄翔の両関脇は2日目まで連敗。その彼らに土をつけたのが、休場明けの逸ノ城(西前頭2枚目)だ。

 

 相撲内容がいい。211㌔の体を生かし、腰を落として盤石の体勢での押し、寄りで、関脇に反撃のチャンスも与えなかった。

 

 三日目はめざましい力をつけている23歳、若手の豊昇龍。ここまでの対戦成績は2勝6敗と分が悪い。

 

 低くあたってきた豊昇龍を左からがっちり抱え込む。まわしを取り、体を密着させてグイグイ寄り立てる。豊昇龍のすばやい動きを封じ、モンゴル出身同士の対戦は、先輩逸ノ城の完勝に終わった。

 

 これで3連勝。早くも上位陣に全勝力士がいなくなった中で、逸ノ城は〝台風の目〟になってきた。どこまで活躍するか、途中で熱帯低気圧のように萎んでいくか。予想は難しいが、前半の土俵を盛り上げる主役になりつつある。

 

 実力は入門の時から注目されてきた。

 

 モンゴルで遊牧民の家庭に生まれ、雄大な自然の中で馬と生活し育ってきた。

 2014年初場所に幕下付け出しで初土俵を踏んで以来、わずか4場所で新入幕。その場所に横綱、2大関を倒している。大相撲史上初の快挙。

 翌場所には関脇昇進。これも相撲界では誰も達成したことがないスピード出世。〝大関、横綱間違いなし〟と期待され、怪物といわれた。

 

 人並外れた逸材、力を備えているとして「逸ノ城」のしこ名がつけられたのは有名だ。

 

 しかし注目を集めすぎてストレスがたまり、急激な体重の増加でヘルニアなど故障に悩まされ、つまずいてきた。一昨年の初場所には十両に陥落しているが、このところ徐々に力を取り戻している。

 

 少年時代の性格は「目立たない、優しい子」だったらしい。昇進に対するガツガツした感じがあまり伝わってこないところをみると、性格はどうも変わっていないようだ。

 

 その逸材も29歳。大変身するのか、どこまでもマイペースでいくのか、よくわからないが、大きな風を巻き起こして〝怪物〟の本領を発揮してもらいたいと思う。

                     ◇

 連敗していた若隆景、大栄翔の両関脇がようやく白星。若隆景は〝くせ者〟宇良の動きを封じての会心の相撲だった。

 

 

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