数日さかのぼるが11日(日)は西荻ブックマーク「つれづれなるままに古本」の巻。今回は荻原魚雷氏の新刊「活字と自活」発売を記念しての古本トーク。お相手は早稲田古書現世、向井透史氏。雨だったけど魚雷さんのファンで会場は満席だった。


初めて実際にお見受けする魚雷さんはとてもおとなしい方という印象。最初少し緊張されてたようだが向井さんの進行のうまさもあって途中から魚雷さんもエンジンがかかった様子。興味深い話をいろいろしてくれた。


魚雷さんの古本の取っ掛かりはアナーキズムだったとか。アナキストから入って文学者の方に行ったらしい。魚雷さんにとってのアナキズムは音楽で言うところのパンクの洗礼同様で、これはよくわかる話。竹中労があってそれからブラックジャーナリズムに身を投じた時期の話があってと、意外とスリリングだったな(笑)。今の魚雷さんが書く文章からは想像もつかなかった変遷譚。面白く拝聴した。


過去のビンボー時代を振り返り、古本で自分より不遇な作家の作品を当時はよく読んでいたという話が印象的だった。その読書という行為自体が魚雷さんにとっての逃避であり、作家がその不遇さを乗り越えるカタルシスを求めていたという内容の話。この話は今の魚雷さんの書く文章に繋がる話として興味深かった。


他にも向井さんがわめぞ結成前、個人的に落ち込んでた時のこと、魚雷さんが向井さんからの一言で当時のもやもやから突破できたことなどファンとしては聞きたかった話が満載。めったに見れない魚雷さんと向井さんのレアなトークショーであった。


終了後、お客さん交えての打ち上げに不肖私も参加させていただいた。西荻ブックマーク主催の音羽館・広瀬さんはすごくいい方だったし魚雷さんともお話できた。で、なんと大ファンである岡崎氏もいらっしゃって至福の時間であったな。照れて岡崎さんとはあまりお話できなかったのであるが。みなさん個性的で面白い話をたくさんお持ちだった。知性と知識に裏付けされた話の数々はどれも刺激的で聞き逃すまいと内心必死な俺がいた。後ろ髪ひかれる思いだったけど明くる日は月曜日。西荻の駅で解散となった。


またいつか皆さんと飲めるといいなあ。