10年も前のことでしょうか。

飲み会という名の合コンを友達とハシゴしていた頃。

 

 

初対面の人に言われる一言が

大っ嫌いでした。

 

 

「あっ!保育士さん?分かるわー」

 

 

人の背中を潜り抜け

やっと腰を下ろし

メニューを選ぶ。目の前の男は

見た目さっぱりしていて

まともそうな人だ。

 

 

「ごめんごめん」とスーツ姿の男性

「遅れたわー」とデニム短パンの男

次々現れ、乾杯する。

 

 

エンジンが入ったところでお決まりのあれが始まる

 

「じゃあ、自己紹介しよっか」

 

きたきた。

初めて会う人なんだからしょうがない。

だけど、毎回同じことを言うことにうんざりしていた

 

 

どこに住んでる?

仕事何してる?

言ったら返ってくる返事が予想できることにもうんざりしていた

 

 

「すみかです」

「岐阜から来ました」

 

 

「えーーっ!?遠くない?終電大丈夫?」

きたきた

名古屋で飲み会すると言われるのです

岐阜は田舎だと思われる

まあ、確かに田舎なのだけど

 

 

私の住んでいたところは愛知寄りで

変な愛知の都市より、終電時間は遅く

0:00が最終だった

 

 

「意外と遅くまであるんですよ」

無理やり口角を上げる

 

「仕事は、保育園の先生してます」

 

「わー!分かるわ。真面目そうだもんね」

 

 

あーまたきたきた

 

 

真面目そう

 

この言葉が一番傷ついた。

私ってつまんないヤツって思ってたんです

限りなく黒に近い茶髪

ひざ丈スカート

薄めメイク

誰がどう見ても私は真面目です

そして現に真面目なのです

反抗期なんてほとんどなくて

言われた通りに勉強して

公立高校に通って

保育士になった

 

 

真面目でしかないのです

外も中も真面目

 

 

当たり障りなく

ギャップがない自分が嫌いでした

クリームパンにクリームが入っている

当たり前すぎるんです

 

 

たこ焼きが入ってるくらいの

インパクトある自分になりたかった

 

 

 

当時は気が付いていませんでしたが

当たり障りない自分

当たり障りない生活を脱したい

というきもちがあったんだと思います

 

 

きもちはあっても、行動できなかった

私はこのまま真面目と言われ

この世界で生きていくしかないと思っていました

 

 

クリームパンを脱したい!

というのが私の行動する原動力です

 

 

行動するための原動力ってなんですか???