tropicalism

●THE BOOM / TROPICALISM -0°


ザ・ブームの7枚目のアルバム。1996年発売。
帯に書かれたコピーは『氷点下の熱情主義』。


ブームといえば『島唄』の印象が非常に強く、沖縄音楽のバンドだと
思われがちですがこのCDではブラジル音楽をベースに、
ジャズや東南アジア的なサウンドも採り入れ多国籍・無国籍なものとなっています。

何かに憑依されているかのような凄みを持ったボーカル・宮沢和史の存在感が
全てを纏めている印象です。それをがっちり支えるメンバーの演奏も見事。


歌詞はムルロア環礁での核実験を批判した2曲目など、
平和主義的なメッセージ性が目立ちます。


僕は個人的にポップミュージックの歌詞は、人間の内面を歌うもの
(単純にはラブソングなど)であって欲しいと思います。
音楽で何かと戦いたくないというか…。
まだこの考えは結論は出せていないのですが。


そんな自分も耳を傾けざるを得ない、宮沢和史という人のエネルギーは
とてつもないと思います。
思い出すのはミュージックステーションにブームが出演していたときに
このCDに入っている『手紙』を演奏(朗読)している姿です。
なんだか幼心に面白さと怖さを感じ取りました。


現在は「GANGA ZUMBA」というグループを作り活動していろようです。
果たして今後どんな活動を見せてくれるのか、楽しみな日本人だと思います。