●LEE RITENOUR "Feel the night"
フュージョン系のギタリストとして真っ先に名前を挙げられるであろう、
キャプテンフィンガーの異名をもつ、リー・リトナーの1979年の作品です。
ブラスセクションのフレーズが印象的なタイトル曲「feel the night」、
ラテンなんだけどドラムのスティーブガッドが彼にしか出来ないであろう
強烈なリズムを放つ「Market place」の1、2曲目のコンビが秀逸です。
このアルバムはリトナーのほかの作品と比べてもギターサウンドが骨太で
ベースとドラムと程よく分離していて、全体的にゴツゴツとした印象があり
聴いていて楽しいです。曲もキャッチーな部分が多いですし。
フュージョンのギタリストのアルバムというと繊細だがどこか軽薄さ
が感じられる、という先入観があると思います。
おそらく彼らは何でもやっちゃうし何でも上手く出来てしまうからで
逆にそのことが不信感を抱かせてしまうんだと思います。
「頑固一徹の職人」タイプのほうが日本人には好まれやすいし
何でも屋の人をフェイバリットには挙げづらい、という事情もあります。
リーリトナーもほんとうに色々なジャンルやっている人で
聴いてみると(失礼だけど)イマイチなアルバムも結構ありますが
この作品のようにかなり楽しめる物もやはりあるので、先入観で判断しないで
いろいろ聴かないといけないよなあ、と改めて思いました。
さてリー・リトナーといえば杏里さんと結婚したと報じられ
よく話題になっていたのですが、今回このレビューを書くために少し調べていたら
どうも今年になって破局してしまっていたらしく、少し残念な気分になりました。