お久しぶりです。

ヴォーカルのケンジです。


突然ですが、ワタクシかなり流行やらなんやらに疎い方でして、

ハヤリものを取り入れるのが随分遅い方でございます。

それでいて、根が単純なものでして、

そんな話題になるなら試してみようかなと

流行した時から「2流行」位遅れて使い始めてみると、

あんまりにも便利なもんだから他人様に

「これすげーよ!マジ画期的だぜ!」と

感動と興奮を伝えようとするのですが、

「そんなの常識だろ、おせーよ。」と返され

激しい温度差に切なくなるのが常でございます。


そんな僕なんですが、

先日初めてiTunes Storeで買い物をしてみました。

Amazonなどでネット通販で買い物することは前々からありましたが、

パッケージではなくデータのみを購入するのは初めてのこと。

できればミュージシャンのクレジットや歌詞カードなんかも欲しいとこですが

そこはネットがアホみたいに浸透してる現代ですから、ネットサーフィンしてそこいらで調達。

iTunesやiPodに入れてしまうので、インポートした後の製品はどうしても邪魔になってしまうのですよね。

なんだか悲しい話な気がしますが、テクノロジーの進化とはそういうものなのでしょう。


さて、これからが本題になるのですが

iTunesで初めて購入したのが

今回紹介するDonald Fagenの82年の作品

“The Nightfly”でございます。


本作品は世界初の完全デジタルレコーディング作品らしいのですが、

そんな当時の最先端の技術を駆使して作ってるくせに、

作品のコンセプトの核が現代批判というのが

いかにもDonald Fagenという感じでニヤリとさせられます。


Donald Fagenのルーツと言えばJazzとR&Bが挙げられることが多いですが、

このアルバムでは特にR&B的な要素が目立ち、

生楽器のリズムを重視したプロダクションや

要所要所で入ってくる絶妙なコーラスワーク等などが組み合わされ

クールではありながら肉感的な感触が生み出されていると思います。

最先端のテクノロジーで武装した肉声で歪んだ現代を批判する、

そういう音楽的なスタンスがDonald Fagen流のロマンティシズムなのではないのでしょうか?


サウンドも全く古臭くなく

肝心の楽曲も全てが名盤に恥じない素晴らしい出来です。

聴いたこと無い方は是非お試し下さい。