どーも、ヴォーカルのケンジです。

すっかり寒くなって、クリスマスももうすぐですね~。

ということで、永遠の名曲「クリスマス・イブ」を擁した達郎さんの名盤、

“Melodies”を紹介したいと思います!


このアルバムは、82年に出た大ヒットアルバム“For You”に続く

7枚目のソロアルバムとして83年に発売されました。

まず挙げられる特徴としては、

それまでのアルバムの大部分の作詞を任せていた吉田美奈子さんによる曲がたった一曲しかなく、

それ以外は達郎氏が自ら作詞されているところです(カヴァーの“Guess I'm dumb”は除く)。

それまでの達郎さんの楽曲というのは、どちらかというと「純音楽的」であり、

そこで歌われる詞はあくまでも音楽に付随するもの、という印象が強かったのですが、

自ら作詞していることにより、このアルバムでは達郎さんの「言葉」やその裏にある「思想」が

音楽の重要なファクターになっているように思われます。

そのことにより、それまでは音楽を構成する「サウンド」として機能していた達郎さんの声が、

「メッセージ」としての言葉を伝える「媒体」に変わってきたのではないか、と僕は思います。
この傾向は、以降どのアルバムにも見られるようになります。


さて、話は変わりますが、みなさんは「クリスマス・イブ」をカラオケで歌ったことがありますか?

もちろん僕はあるのですが、失礼ながら歌うたびに「なんだかつまんねーなー。」と思ってしまいます(笑)

メロディーがAとBと2パターンしかないし、盛り上がる部分もないし、

なにより「パッパラパーラー」というパッフェルベルの引用のアカペラ部分では

一体何をしていいのか分からなく手持ち無沙汰だし・・・、と色々と文句を付けたくなるんですよね。

かと言って、自分でコード譜にしてギターやピアノで弾き語ってみても全く面白くない。

んで悔しくなって、実際に達郎さんが歌ってるCDを聴いてみると、これがやっぱり本当に素晴らしい。

でも不思議なことに、“Season's Greetings”に入ってる英語版を聴くと、全然面白くない。


これは一体どういうことかというと、

この曲の良さは曲と詞、編曲・演奏、歌唱という要素が絡み合って成り立っているために

そのどれかでも欠けてしまうと魅力が薄れてしまうのだそうです。

これは達郎さんが雑誌のインタビューで話していたのですが、思わず「なるほど~!」と感心しました。


日本にはアレンジをがらっと変えても原曲の良さが消えないような「名曲」が多く存在しますが、

アレンジや演奏を変えてしまうと原曲の良さが出ないような「名曲」は

前者と比べるとはるかに少ないのではないでしょうか?

これは、日本のポップスにおいては曲と詞が特に重視され、

演奏と編曲が軽視されることが多いことを意味してると思います。

別にその傾向が良いことか悪いことか、というはどうでもよいのですが、

曲に関わってくる全ての要素を高いクオリティーで仕上げる山下達郎さんのような存在は

日本の音楽界にとって非常に貴重だなー、と改めて思うわけですよ。


とかく、「クリスマス・イブ」が目立ってしまうアルバムですが、

他の曲も名曲揃いです。僕は「ひととき」や「あしおと」がたまらなく好きです!

未聴でしたら是非!


2006.12.7