去年、一番後悔したことは何ですか? 今年はそれを抱負にしようと思います。
さて、すっかり正月モードも消沈し年賀状ラリーも収束をみています。その間に読み溜めた本。
・森博嗣『τ(タウ)になるまで待って』
・西条奈加『千年鬼』
・井上ひさし『言語小説集』
・道尾秀介『カササギたちの四季』
・星新一『たくさんのタブー』
・森博嗣『τになるまで待って』
Gシリーズ3作目。
――森林の中に佇立する《伽羅離館》。超能力者神居静哉の別荘であるこの洋館を、7名の人物が訪れた。雷鳴、閉ざされた扉、つながらない電話、晩餐の後に起きる密室殺人。被害者が殺される直前に聴いていたラジオドラマは『τになるまで待って』。――
読後感としては、ポーの『モルグ街の殺人』を読んだ時に近いですかね。いや、犯人とかトリックは全く違うのですが、意外な落ちを持ってくるというか、デウスエクスマキナというか、それより犯人誰だよ!
主人公たちのキャラクターが面白い作品ですね。そして思った通り真賀田四季が絡んでくるようで…そうなるとわからないので、そろそろ中断するかもしれません。
相変わらず裏をかいた奇抜なミステリでした。
・西条奈加『千年鬼』
『金春屋ゴメス』で知ったのが最初ですが、好きな作家のひとりです。ゴメスは続編出ないですね。
――友だちになった小鬼から過去世を見せられた少女は、心に“鬼の芽”を生じさせてしまう。小鬼は彼女を、宿業から解き放つため、千年にわたる旅を始める。――
好きなタイプの話でした。報われなさすぎだがそこがいい。読み通した後に表紙の絵を見ると沈むこと間違いなし。
連作短編なので、別個で読んでもちゃんと楽しめるクオリティでした。
・井上ひさし『言語小説集』
初めて読んだのは『黙阿弥オペラ』だったかな。いや、『ひょっこりひょうたん島』ですね。当時は井上ひさしのことは知りませんでしたが、ビデオ擦り切れるくらい見ていました。
――えっ、まさか!? カギ括弧記号が恋に落ちる!?『括弧の恋』。文法的に意味をなさない台詞に、役者が狂わされていく『極刑』。方言に人生を捧げた方言学者が、傍若無人の元特高に方言で復讐を果たす『五十年ぶり』。〈大便ながらくお待たせいたしました〉と、ある日突然舌がもつれる青年駅員の悲哀を描いた『言語生涯』。(他3編)――
なんとなくですが、筒井康孝とか高橋源一郎とか星新一とか、一昔前(に生まれた)の作家さんは、文章が似ているわけじゃないのですが雰囲気というか、共通点がある気がします。井上ひさしもなんとなく。
安定感がありますね、読みやすいし、発想がついていけないくらい突飛。のはずなのに、『吉里吉里人』を同時に読んでいるせいか、すごく普通に感じられた(笑)
・道尾秀介『カササギたちの四季』
――開店して2年。店員は2人。「リサイクルショップ・カササギ」は、赤字経営を2年継続中の、ちいさな店だ。店長の華沙々木は、謎めいた事件があると、商売そっちのけで首を突っ込みたがるし、副店長の日暮は、売り物にならないようなガラクタを高く買い取らされてばかり。でも、しょっちゅう入り浸っている中学生の菜美は、居心地がいいのか、なかなか帰ろうとしない―。――
以前ここに感想を書いた、真吉備シリーズのパロディのような作品。
華沙々木は真吉備を劣化させたような人物で、マーフィーの法則を愛読していたり、的外れな推理を自信たっぷりに披露したりする。
日暮は道尾を有能にしたような人物で、この作品の探偵役。華沙々木を慕っている奈美をがっかりさせまいと、華沙々木の推理を実現させる。
奈美は助手の凛をノリノリにしたような感じ。華沙々木さんスゴイ! 的なことを言っているけど、実は全部わかっていたり。
内容も面白かったけど、自分の作品をネタにするところが一番面白いですね。
・星新一『たくさんのタブー』
移動時の暇つぶしとか、ちょっと時間空いたときなんかにちょうどいいんですよね。尊敬します。
以前NHKで映像化していましたが、レギュラー放送してほしい。
とりあえず、今年は三日坊主を治せるように努力してみます。
それでは。
さようなら。
『悪魔を殺して平気なの?
と訊かれたら何と答える?
殺した悪魔に気をつけろ』