ロビタじゃあ | 読書日記

読書日記

神郡が読んだ本の感想や、諸雑記を書いていくブログ。
知り合いには見せられないなあ。

家庭用人型ロボットが発売されると知って、思わず上記タイトルを叫びました。

今晩は。久し振り。

人の感情を読み取って対応したり、絵本を読んでくれたりするそうですよ。
子守りをするロボット。ロビタですねえ。
これからもっと進化して、家事をしたり一緒に遊んでくれたりするようになるのでしょうね。
楽しみですね。





・京極夏彦『どすこい(仮)』(00’集英社)
・蒼井上鷹『最初に探偵が死んだ』(08’実業之日本社ジョイ・ノベルス)
・皆川博子『アルモニカ・ディアボリカ』(13’早川書房ハヤカワ・ミステリワールド)
・恩田陸『夜の底は柔らかな幻 上・下』(13’文芸春秋)

しばらく休んでいた図書館通いを再開しました。
また二週間に一回くらいのペースで感想を書く予定。予定。


京極夏彦『どすこい(仮)』(00’集英社)

――地響きがする―と思って戴きたい…相撲取りの討ち入りを描く「四十七人の力士」、肥満ミトコンドリアが暴れる「パラサイト・デブ」などなど数々の名作を下敷きに、パロディの極北を目指したお笑い連作巨編がついに文庫化。炸烈する京極ギャグの奔流に、いつしかあなたは肉の虜となる。――

小野不由美と京極夏彦好きの友人がこの本の話をしていたので試しに。
第一印象は重い、厚い。開いたら以外に字が大きい、でした。この本絶対もう少し薄く出来るのにな。

内容は、出だしが「地響きがする―と思って戴きたい」から始まる七編の連作短編。そのすべてがパロディです。
入れ子式の構成になっていて、小説の書き手が次の話の登場人物になっていきます。

池宮彰一郎『四十七人の刺客』のパロディ『四十七人の力士』(作者も新京極夏彦、など自身のパロディとなっていて、嘘の経歴もしっかり書いてある)、瀬名秀明『パラサイト・イヴ』のパロディ『パラサイト・デブ』南極夏彦、森博嗣『すべてがFになる』のパロディ『すべてがデブになる』N極改め月極夏彦、鈴木光司『リング/らせん』のパロディ『土俵・でぶせん』京塚昌彦、小野不由美『屍鬼』のパロディ『脂鬼』京極夏場所、宮部みゆき『理由』のパロディ『理油』京極夏彦、竹本健治『ウロボロスの基礎論』のパロディ『ウロボロスの基礎代謝』両国踏四股。

この中で原作を読んだことがあるのは『すべてがFになる』と『屍鬼』だけでしたが、フレーバー程度にしか原作に関わらないので読んでなくても問題ない。
タイトルからわかるとおり全編に渡り力士やデブの話です。ところどころ面白い個所があるなという感想でした。
というか、もはやオチているので内容はどうでもいいや。

装丁が凝っていて、一話ごとに原作の表紙に似せた扉が付いているし、しりあがり寿の四コマも見られます。
決しておすすめはしないけれど、京極夏彦のファンなら面白いと思います。

ちなみに巷説百物語シリーズを何冊かと、映画で『姑獲鳥の夏』を観たくらいだとついて行けないことを保証します。


蒼井上鷹『最初に探偵が死んだ』(08’実業之日本社ジョイ・ノベルス)

――作家・星野万丈の莫大な遺産を受け継いだ内野宗也は、四人の養子に遺産相続の権利を与えていた。ところが、新たな養子候補が現われたことから不穏な動きが。内野の依頼を受けて、一族が集う雪の山荘に向った名探偵・笛木日出男だが、何者かにいきなり殺されてしまう。残された一族の運命、そして遺産は誰の手に!?奇妙な展開、でも謎解きは本格派の長編ミステリー。――

出落ち気味のタイトルに惹かれて読んでみました。

誰が探偵役を!? とわくわくしながら読み進め、あぁそういう展開かあ……となり、最後におっ、となる話です。

謎解き自体は本格的でした。キャラクターも低俗的な面があってよいですね。この展開ならではの齟齬感もうまく出ていて。
少し気の抜けたミステリーとして面白かったと思います。
でも人によっては好き嫌いがありそうな作品でした。


皆川博子『アルモニカ・ディアボリカ』(13’早川書房ハヤカワ・ミステリワールド)

――18世紀英国。愛弟子エドらを失った解剖医ダニエルが失意の日々を送る一方、暇になった弟子のアルたちは盲目の判事の要請で犯罪防止のための新聞を作っていた。ある日、正体不明の屍体の情報を求める広告依頼が舞い込む。屍体の胸には“ベツレヘムの子よ、よみがえれ!アルモニカ・ディアボリカ”と謎の暗号が。それは、彼らを過去へと繋ぐ恐るべき事件の幕開けだった。『開かせていただき光栄です』続篇!――

前作を読んでから結構経っていたので内容うろ覚えでしたが、最初に人物一覧が載っていたり、作中でだいたい説明してくれるので、これから読んでもそんなに問題ないと思います。
もちろん読んでいたほうが楽しめるのは確実です。続けて読みたかった。

ミステリー風味のいつもの皆川博子っぽい話。
18世紀の臨場感のある鮮明な描写と徹底された世界構成は素晴らしい。詳しすぎて逆に想像できないというおいてけぼり感を味わいました。勿論褒め言葉です。

現在のアルたちの事件を追いながら、間に事件の鍵となる女性の過去と、語り手も時系列も最初はわからない誰かの手記が交互に挟まれ、それぞれの続きが気になってページが進む進む。
読後はすっきりしながらも切なく感じました。

今回読んだ中で一番面白かった。ファンです。


恩田陸『夜の底は柔らかな幻 上・下』(13’文芸春秋)

――恩田陸が贈る、日本版・地獄の黙示録
犯罪者や暗殺者たちが住み、国家権力さえ及ばぬ無法地帯である〈途鎖国〉。特殊能力を持つ〈在色者〉たちがこの地の山深く集うとき、創造と破壊、歓喜と惨劇の幕が切って落とされる――極悪人たちの狂乱の宴、壮大なダーク・ファンタジーをお楽しみください。――

これは問題作でした。最後数ページは「ええぇ~」と言いっぱなし。読み終わってすぐだったら感情に任せて色々書いたかもしれません。
でもしばらく自分の中で寝かせて考えてみました。
著者インタビューも読みました。
うん……これはこういう話なんだ、と納得がいったのでようやく感想が書けます。

まず上下合わせて700ページの長編を、一気に読ませることのできる文章力は本当に尊敬します。
断片的にほのめかされる謎、意味深な専門用語、個性豊かな登場人物たち。展開がぐいぐい来ます。ライトノベルかと思うくらい読みやすい。

――【在色者】「イロ」という特殊能力を持つもの。――
――【闇月】先祖を弔うため、多くの人々が山へ入る時期。運が良ければ死者に出会えるという。――

帯だけ読むと常野物語系列と『ネクロポリス』をグロテスクとダークで包んだ話かなと思いました。
違いました。

要約すると、〈途鎖国〉出身で〈在色者〉である刑事の主人公・実邦が元夫を殺す為に十六年ぶりに故郷へ帰ってきて、そこで十六年前に一方的に想いを寄せられて一悶着あった〈在色者〉であり権力者であり隻眼(にした)の葛城に苛烈なストーキングをされながらも元夫を追って山に分け入り、他の〈在色者〉たちと色々ありながらもやっと辿りついたら元夫は伊藤潤二のホラー漫画みたいなことになっていた挙句、アメリカ人の作ったとある忍者ゲームみたいな展開になり、最後は「ええぇ~」と、読者が言う話です。

結構回収されない謎があったり、これじゃない感を抱いたりしましたが、恩田陸は最近こういうシュールな作風なんだろうなあと思いました。ありきたりな結末に飽きたかな。
そういえば学生の頃は恩田陸をよく読んでいました。『麦の海に沈む果実』好きだったなあ……。

――恩田陸が贈る、日本版・地獄の黙示録

そういうことなんだと思います。
おすすめはしませんが、逆に読んでみてほしい。それでどう思ったか訊きたい。気持ちとしては道連れにしたい、に似ている(笑)





では。また。
さようなら。



『さぁ、よみがえるのだ・・・・。
 この電撃でええっ!』