父の脳のCTを見ながら説明を受けて、衝撃を受けた。物理的に脳が萎縮するという事を理解した。

それから毎年、脳のCTを撮っている。

すぐ背後に、すでに待機しているようで、いち早く見つけて対処したいと思っている。見つかった時に具体的に何をしたらいいのかわからないけれど、自覚より先に萎縮がわかるとしたら、自分で何か考えられる事があるかもしれない。

 

CTを撮り始めてから、特に問題があると言われたことはなかったのに、今年は少し違った。

「問題はありませんが、前頭葉が同年齢の人より少し委縮しています。でも、2年前から変わっていないので大丈夫ですよ」

あ。

青天の霹靂。

安心すべきなのか、怯えるべきなのか、よく分からない説明。

少なからずの衝撃を受け、頭の隅に「前頭葉の萎縮」というワードが住みついて離れない。

前頭葉の萎縮ってなんだ。

つまりは脳の萎縮ということ。

おいおい、年齢的に少し早くないか、等々。

時々、思い出しては、ちょっと落ち込む。まさかと思っていたのに、敵は本当に身近にいたらしい。

「まだ、問題ありませんが」と言った先生の言葉はあるものの、萎縮の事実は消えない。

くい止めるために私にできることは何だろう。


  書店で、

「40歳から始める脳の老化を防ぐ習慣」(和田秀樹氏著)という本を見つけ、引き寄せられるようして買った。

本の題名もさることながら、その帯に目がいった。

「脳トレするより恋をせよ」

深い。なるほどそうかもしれない。心をウキウキさせることは脳にいい気がする。

更に、

「思わぬところから思わぬほど早く老化が始まります。この思わぬところとは感情です。

脳の前頭葉ということです。前頭葉は40代から委縮し、老化し始めます。」

なるほどそれか、と一気に腑に落ちて、その本を買った。

まさにそこだと思った。

 

40歳から「脳の老化」が始まっているとしたら、私の脳が老化、萎縮しているのは当然の事で、私だけじゃないと内心思う。

自覚症状がなくても、CTを撮ると前頭葉の委縮ははっきりと目に見える。

前頭葉が委縮するとどうなるか。

本によると、感情のコントロールが効かなくなり怒りっぽくなったり、一度怒るといつまでも怒っていたりする。

何かにつけて面倒になり、身体を動かすことも億劫になったりする、らしい。

多くの場合は、前頭葉の委縮によって日常生活が出来なくなるということはないから、自覚されにくいらしい。

私の脳が劣化しているのは、CTで分かったけれど、幸いにも意欲はまだありそうだし、あやしい自覚症状はまだない、はず。

物忘れ、勘違い、理解力の低下等々いろいろ不具合はあるけれど、そこはまた、別の脳の支配域で前頭葉ではない、ということも知った。

 

取りあえず、前頭葉を鍛錬して、脳のアンチエイジングを計らねば、と思う。 

まずは恋、か。

いやいや。