月に3,4回プールに行く。リウマチの治療で通院している先生から、プールで歩くといいね、と言われたのがきっかけで、行くようになった。私としては、歩くよりも泳ぎたいと思っていた。

 でも、私は果たして泳げるのだろうか。何十年も泳いだことがない。昔々、高校生の頃、体育の授業で泳いだ記憶があるのは勘違いだろうか。

 自信がないので、ボードを頼りに泳ぐことにする。一度持ったボードをなかなか放すことが出来ずにいたら、プールで時々会う人が「泳げるわよ」と何の根拠もないのに、そう言って、私の背中をポンと押した。あっと思う間もなく、私はプールの中に倒れて、そのまま浮いた。なんだ浮くじゃん、と思いながら手足を動かしたら、前に進んだ。体が覚えていたらしいクロールで泳ぐことが出来た。嬉しかったけれど、私の体が覚えていたのはそこまでで、息継ぎがわからない。もともと息継ぎはできなかったらしく、体が反応しない。

 できる人は簡単だよと言って、教えてくれるけれど、人によっていちいち言うことが違ったりする。それでも、なるほどそうか、と納得したつもりでやってみると、ブクブクと沈む。いやいや、やり方が悪い。ああだ、こうだと悩みながら、少し出来るようになってきた感じかなと思えるところで実家に帰る。二週間して、プールに行くとやっぱり出来ない。勘が悪い。そう簡単には体が覚えてくれない。

 頻繁には行ってないから、偉そうにはいえないけれど、最初の一年くらいは息継ぎができるようにと、結構私なりに頑張った。

 もう5年が過ぎて、すでに諦めている。プールの中で時々息継ぎのために立ち上がりながら、泳ぐことにしている。これを泳ぐと言っていいのかどうかはわからないけれど、本人は達観している。それはそれで、肺の強化にもなるかもしれないと思うことにしている。でも、とても疲れる。

 未だに「途中で立ってもいい」と書かれている初心者コースを泳ぐ。泳ぐ姿はなかなか堂に入っているらしい。「形はいいのにねえ・・・」と言われることもある。