10/30(土)の中日新聞より。

名古屋市で開催された生物多様性条約第十回締約国会議(COP10)で「生物の多様性を守ろう」と呼び掛けた日本政府。

ところがその口とは裏腹に、多くの稀少生物が生息する「泡瀬干潟」(沖縄市)で埋め立て工事再開に動きだしている。

「泡瀬干潟」は360種類以上の貝が生息し干潟では日本一。

貝以外ににもカニ、ゴカイ、ハゼなどがひしめき、それ自体が巨大な生命体のようなものだという。

ラムサール条約の登録基準も満たしているという。

しかし、埋め立て用の護岸ができてから海は変わった。

工事の泥が海中に浮遊したりして生息場所が変わってしまったというのだ。

1987年、泡瀬干潟を埋め立てるリゾート開発構想が浮上。

2002年に埋め立て、人島造成の工事に着手。

2005年に住民が「生態系を破壊する」と提訴。2008,2009年に那覇地裁、福岡高裁那覇支部が「経済合理性」がないことを理由に公金差し止めを命じた。

「コンクリートから人へ」をうたった政権交代後、前原沖縄北方担当相(当時)は工事が中断と二期工事中止を表明した。

ところが、2010年8月、沖縄市の見直し計画が経済合理性が出てきたとの理由で事業再開を了承。

裁判では経済合理性がないと判断された計画、しかも見直し計画でも人工島に建設されるスポーツ施設は年間2億円の赤字見通しだという。

赤字補填の民間商業施設誘致の見通しもない。

なんとも不可解な判断。

しかも環境省は2010年9月30日に、「泡瀬干潟」をラムサール条約湿地潜在候補地として選定している。

地元では、「普天間基地の県外移設を断念した政府の見返りとしての地域振興策」ではないかとの見方がもっぱらだ。

だとしたら、全くの的外れの判断としか言いようがない。

自然を破壊し、赤字垂れ流しで、何が地域振興か。

「干潟を埋め立てて人工島をつくるより、干潟を観光資源にして、自然観察をする施設をつくった方が人は集まる」と話すのは、「泡瀬干潟を守る連絡会」の前川事務局長。

足元の問題も解決せずに、COP10議長国として生物多様性を守ろうなんて、ちゃんちゃらおかしい」とも言い切った。

まさに正論。

誰も反論できないだろう。