ビスコとなっちゃん  

「最近、なんだかくちゃいんだよ」



ビスコはウサギケージ、夏はバスケットだった日々。


夏のコールタール下痢はとまらなかった。

ビスコが赤ちゃん猫にあるまじき腸の強さで

一度も下痢や便秘をしなかった奇跡もあるけど

この夏の下痢は、

よくある赤ちゃん猫の下痢とは違っていた。


肛門も、何ミリも開きっぱなしで

腸まで見えるのでは?という位ひどかった。

下痢は粘液まじりで、命の危険があるのは容易に見てとれた。

(大人猫では経験がある)


なのに、本人は並はずれた食欲の持ち主で

90mlは飲みたがる。

そんなに一度に飲んではダメなのに

もっと飲みたい様子。


生まれた時から、自力でおしっこウンコが出来たビスと違い

バスケットを開けると下痢まみれの夏!


ひとりでこれを掃除するのは大変だった。

2時間おき位にバスケットの大掃除。


ウンコまみれの夏を部屋に解き放つ訳にもいかず

もとより、うちにはハイエナ達がいるものだから

片手で夏を持ったまま、作業をしないといけない。

けれど、ありえないほどに活発な夏は

バスケット中に下痢をぬったくっていて

その掃除は簡単ではなかった。


あれこれ考えた私は、夏を一瞬ビニールに入れておくことにした。

そのビニールは、我が家では通称「ウンコ袋」と言われる

大人猫のトイレ掃除の際に使う極小サイズのものだ。


これに、夏を入れ、軽く口をしばる。

白い半透明の袋からは、夏が

「だせーだせー」

と、もがいているのが見える。


閉じ込めておきながら不謹慎にも、

おかしくてたまらず、毎度爆笑していた。


ビスコとなっちゃん  だせー!だせー!

(当時の日記に描いた殴り書きで失礼)


大笑いしながら、バスケットをきれいにし

その後、夏を例の風呂に入れ、乾かしてから戻す。

これが、この頃、一日に何回も行われていた。


命を看取る覚悟をもって保護したから、

あとは、夏の生命力を信じて、特に薬などは飲ませなかった。


短い直毛の中に、長いクリクリのカールした毛がまばらに生えて

どうやら耳が大きくなりそうな夏は

明らかに洋猫の血が入っていた。


将来はふわふわになるだろう予想は出来たが

その頃はといえば、たわしの失敗作のようだったし

しかも、ウンコの臭いぷーんだ。


ビスコとなっちゃん  


さて、夏とビスの出会いについてだが、

それは、当然、この頃だった。


夏をビニールに入れて掃除していると

隣のケージにいるビスは

「んーま、ビーちゃんのご飯は?」

と、檻につかまって呼びかけてくる。


「ビーちゃんは、このあと」

何度も言い聞かせながら、作業していたが、

ある時、掃除するバスケットをビスコのケージに近づけすぎたことがあった。


ビスは、好奇心いっぱいで

「なになに?なにやってるの?」

と、言わんばかりに近づいてきたが、

次の瞬間、

正に絵に描いたような

「ガーン!」

と、いう顔に縦線表情になり

「くっせー!!」

と、吹き出しをつけたくなるほど素晴らしい漫画顔をした。


笑いだしそうになるのをこらえて、

黙って見ていると

ビスコは、

「ガーン!」

のあとに、右手を鼻の前に持っていき

自分の鼻をカシカシカシカシと素早くこすった。

「くちゃいくちゃいくちゃいくちゃい」


4回ほど、自分の鼻を素早くこすると

サッと踵を返し、

当時、別宅としてケージに入れておいてあげた

ティシュの箱に頭から飛び込んで行った。

その早いことったら!


これぞ、緊急避難!!

と、いう素早さであった。

ビスコとなっちゃん  ←クリックすると少しは見易いかも


その日は、さすがのビスコも

もう好奇心をしめすことはなかったので

その臭さは、ビスコにとって未知の領域だったに違いない。


夏のコールタール下痢は、保護して1ヶ月弱で

そこそこおさまってきた。

軟便ではあるが、垂れ流すこともなくなり

だいぶ、命の可能性が高まってきた頃、

ビスコと夏は顔を合わせた。


私の膝の上に敷かれたシートのうえで

体を拭かれて、ミルクをもらう夏。

自分の順番を待つケージの中のビスコ。


たぶん、1ヶ月弱しか生年月日は違わないはずだが

平均よりかなりちびのビスコよりも、

さらに夏は小さかった。


夏は、怖いもの知らずで、

それは、水たまりにはまっていたことからも充分うかがえる。


そんなイタズラ坊主は、

「パイをもっとくだちゃーい」

と、駆け回る間、ふと、隣にあるケージに気がついた。


目がある程度見えるようになってきたのだろう。

それまで、自分の臭さに気付かなかったが

どこかで牧草みたいな三毛猫のお姉さんのにおいに気付いたのだろう。


夏がビスに気付いた瞬間を、

偶然にも写メることが出来た。

ビスコとなっちゃん

「はっ!」

と、音が聞こえそうな動きで、ビスコに気付いた夏。

私の膝の上で、肛門全開のまま、一瞬かたまった。


次の瞬間、ピョーーンと膝から飛び降り、

ビスコのケージに走り寄って行く。


ビスコとなっちゃん

「もちもち、だれかいまちぇんかぁー」

つかまり立ちをして、中を覗く夏。

後ろから見ていて、可愛くてたまらなかった。

ビスコとなっちゃん  (ふたりはこんなに大きさが違った)

一生懸命に中を覗く夏は、

ついに、ビスコに出会ったのである。


それから、夏の中の優先順位に変化があり

1位、ミルク

2位、おねえちゃんの部屋を覗く

3位、冒険

4位、体を拭いてもらう

と、なった。


いっぽうビスコは、夏に興味がないようで

これが、母猫に初乳ももらわず舐めてももらわなかったせいなのか

いまだに、この頃のことを思い出す場面には出くわす。


寝ているビスコの頭を舐めてあげてる夏に

いきなり、ガバッと起きて噛みつくビスコ。

ビスコが他の猫を舐めてるのは、一度も見たことがない。


だが、夜中にすさまじい物音で起きると

おもちゃ入れにしているティシュの箱

頭をつっこんで大暴れしているビスコの姿はよく見る。


緊急避難ではないだろうが、

この姿も、この頃のことを思い出させるのである。


ビスコとなっちゃん

(真夜中の大騒音!

 腕枕で寝ていたはずの三毛猫ちゃんが

 箱をかぶって部屋中を大暴れ!)




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