※写真がないところは、殴り描きの絵でお送りしております。

  スキャンするのが面倒くさいので写メで失礼。


水たまりで発見され、
鼻も爪も泥だらけだったおかめの男の子。
(写真は前回参照)


その姿を見て、私は悩んだ。


何故なら、その当時、離乳中のビスコを含め
狭い自宅には、10匹の猫がいたからだ。



※ここからは、それについての説明※
当時、私と同居人は近所の百戸位にチラシをポスティングし
近隣の野良猫の避妊手術と里親探しをしていた。
(並行して餌やりと掃除ほかほかも)


もともと野良のいない地域だったのだが
夜逃げをした一軒家に犬と猫が置き去りになり
犬はボランティアのひとが保護したものの
猫は脱走してしまって、繁殖してしまったのだ。


本当に置き去りにした家族が憎かった!


大元になったシャムトラの通称『かあさん』も
その後、手術出来たが、なかなかつからまらず、
そのうえ、バケツ何杯もの餌をまき散らすだけの人が現れた為
近隣から猫がエンドレスに集まり、
繁殖し続けることになってしまった。


チラシを見て、支援や手伝いをしてくれる人もいたし

(もちろん、匿名の嫌がらせのほうもね)
ボランティアの人もいつも助けてくれ
手術や里親探しもしてくれた。


虐待をする人がいたのも事実で、
これにより、極度の人間嫌いになってしまった子は
どうしても里親がつかなかった。


もらい手もどうしていいか分からないし
猫にとってもストレスでしかない為
ボランティアの人も手術してリリースするのだ。


我が家にも、そういう子や生まれつきの障害、
病気をもった子、などなどがひきとられた。


それが、当時、ビスコを含め、10匹いた。



もちろん、ワクチン出来る2ヶ月あたりまで育てて
里親を見つければいいのだが、、、、


私は、一目見て、里親はつかないだろうと思ったのだ。


だって、、、たぶん、長く生きられる確率はかなり低い。
普通の子と同じ世話って訳にはいかない。
ベテランの飼い主さんでないと、育てられない。


とりあえず、悩んだままの私は、
ちょうどその頃、最後の子育てをしていたかあさんを見つけた。


かあさんは、高齢だったので2匹しか産まなかったのだが
よその猫の赤ちゃんまで勝手に育てていて
当時8匹くらいを面倒見ていたのだ。


「ちょっとかあさん、こいつも頼むよ」

私は、かあさんの一番上の空いているおっぱいに
おかめをくっつけた。


上に行くほどおっぱいの出は悪くなるので、当然人気はなく
腕力のある子が下から獲得するのだ。

それでも、一匹が遊んでいた為、一番上が空いていたのがラッキーだった。


たぶん、一番上は、本当に出ないんだけど
ハングリーなおかめは、必死に飲もうとしていた。


かあさんは、数秒後に
「ん??」
と、いう顔をして考えていたが
「まぁ、いーか」
って感じで、おかめの頭を舐めてくれていた。


かあさん!!
ありがとう!!!


ビスコとなっちゃん


その晩は、かあさんに任せて家に戻った私だった。


家に戻っても、あれこれ考えは尽きなかった。

ビスコの世話をしながら、
「でも、他の子は、もう自力でおしっこしてるだろうから
 かあさんはおかめのおしっこを出してあげないかもしれない」
とか、どうしたもんかと悩んでいたのだ。



翌早朝、

同居人が仕事に行く電車からメールをよこした。


「あの子、完全に浮いてたよ」


その言葉を見て、思わず笑ってしまった。


「元気そうだったけど、
 あんまりにも大きさが違うから
 みんなに無視されてちんまりしている」
とのこと。
「本人はまざっているつもりかも」
と。


おかしくて笑いながら、外に出てみた。


昨夜、かあさんがおっぱいをあげていた位置とは違う
隣のアパートの一番奥の部屋のベランダ前で
遊んでいる数匹の子猫が見えた。


みんなビスコと同じ時期の生まれなのだが、
ビスコよりもずっとずっと大きく

元気いっぱいプロレスしたり、追っかけっこしたり。


近づいて見ると、、、、


駆け回る子猫たちの奥、洗濯機の前に
ちんまり座ったおかめが目に入った。


あまりの小ささに、息を飲んだほど
本気で、その子は浮いていた。


座っていると、座高は8センチほどだった。


ビスコとなっちゃん

開いている片目で、かすかに見えるのか
それとも、ちょこっとだけ開いた耳で聞こえるのか
子猫たちの様子が分かるようだが
混ざれるはずもなく
だけど、なんだか楽しそうで
お兄ちゃん、お姉ちゃんたちに混ざっている気分のようだった。


ビスコとなっちゃん

のどかな様子に、私も笑顔だったが、内心、
「このままだと死ぬなぁ」
と、確信していた。


ちっちゃいちっちゃい脇の下をつまんで持ち上げて
目の高さに持ってきた。


ビスコとなっちゃん

おかめは真顔で、笑っているような顔をしていたが
「どうする?
 おばちゃん家の子になるか?」
と、聞くと、甲高い声で
「イーッ!」
と答えた。


「パイくれるなら、いくじょ」
そう聞こえた。


「よし。じゃあ、そうすっか。」


私は、二週間生きられればいい方だと現実的に思いながら
看取ろうと決心し、おかめを家に連れ帰った。


ビスコとなっちゃん


途中、パトロール中のかあさんに会ったので
「かあさん、夕べはサンキュー!
 この子はひきとるから安心して。
 あと、かあさん、子離れしたら、今度こそ手術だからね!」
と、声をかけた。
かあさんは、ふんって顔でおすまししてスタスタ行ってしまった。



家に連れ帰ったおかめを座卓の上に置き、
つい数日前にしまったばかりのバスケットを取りだした。


ビスコの時と同じように、温床やシートやタオルを設置し
ビスコのケージから温湿計を拝借した。


おかめを寝かすと、疲れていたのか
5秒もしないうちに、爆睡しだした。


「おい、乞食王子!しっかり寝ろよ」


高校時代にプチホームレスだった私に言われたくないだろうが
名前もなかったので、そう声をかけて、
バスケットのフタを閉め、上からタオルをかけた。


おかめの王子は、かなり長いこと爆睡していたので

本当に疲れ果てていたのだろう。


ビスコとなっちゃん

(他の写真は、前回参照)


まずは、ビスコの哺乳瓶の予備の吸い口を出し

おかめ王子の口や気管の大きさに合わせて切りこみを入れた。

やわらかくなるようにお湯でもんだりして準備。


おかめの男の子は、予想通りハングリーで

凄いいきおいでがっついてきたが、

ゴムの吸い口を口に入れると、途端にべええ!と押しだした。


そして、私の手に小さい泥だらけの爪を立てて

「パイは?おばちゃん、パイは?」

と、必死になった。


その必死さは凄かったが、

どうしてもゴムのパイは嫌のようである。


ビスコは、初乳も飲んでいなかった為、

疑問にも思わなかったようだが、

おかめのひとは、実の母親にももらっただろうし

夕べと、たぶんその朝も

知らないおばあちゃん(かあさん)にもらっていたので

「こんなゴムのものはパイじゃない」

と、知っていたのだ。


「パイは?パイは?」

と、必死の王子だが、とりあえず、風呂に入れることにした。


例のビスコの練習トイレになるはずが無駄になった

大型犬の食器にお湯を張り、仰向けにこれを入れた。


ビスコとなっちゃん


真顔で放心しているのが、本当に面白かった。


どうやってもキレイにはならなかったが、少しだけマシになった。


吸い口問題は、なんとかなると思ったが

水頭症の疑い、

とまらないコールタールのような下痢、

と、また、この日から、格闘の日が始まった。


当然、ビスコの離乳ほか子育ても続いているしね。


何はともあれ、ビスコに幼馴染が出来た。


名前は、『夏』に決めた。


2週間生きられればいいほう。

そう思ったから、

「夏まで生きるぞ!」

と、いうスローガンから、夏である。


しかし、男の子は、たいてい真顔だが

なっちゃんのあまりの真顔ぶりは

『あみぐるみのクマ』そのものだった。


ビスコとなっちゃん

※これは、半月後位の写真。




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