啓輔曰わく、大地(だいっち)のメールの返信が思っていたよりも遅かった。
そのため他の友人にも遊ばないかとメールを打ったらしい。
その数総勢30名。
まずそんだけの人数にメールを打ったのだけは立派です。
真っ先に大地にメールを打った理由については、
「暇な大地ならきっと遊んでくれる って思ったのさ~♪」。
その言葉を聞いて、大地は本気でケータイを切ろうとした。
「ごめんごめん まぢでごめん ウソウソ! 冗談だから ね!? 冗談冗談 マイケル・ジョーダン♪」
死ね!!
しかもよくあるギャグじゃねーか!
しかしバイトや午後の部活や塾なんかで、せっかくメールを打った中で誰一人として暇人がいなかった。
まーまー30人全員にフラれるとは大したもんです。
少々絶望した啓輔であった。
そこで啓輔は、今日は水曜だし、どうせ夕飯は大地宅だから大地と遊ぼうと(勝手に)決めた。
水曜と日曜は寮の食事(昼食・夕食)が出ません。
「だってよー メシ食いに来ましたー ってだけじゃすげー言いづれーじゃん」
啓輔の気持ちも汲んでやんなきゃいけないんだろうけど、いっつもそう言って大地ん家に来てるでしょ。
本気なのかどうか怪しいものがあります。
まあ、そういう気持ち分からんでもないけど。
「なんだよ 遠慮なんかすんなよ」
そこへ大地のメールが返って来たわけだ。
さらに家庭教師がどうとか。
その瞬間、啓輔の脳裏に自分が家庭教師をやっている姿が思い浮かんだ。
ヤベー かっけーと思う啓輔だったそう。
なんか面白そうな気配がしたから、もうこの際家庭教師やっちゃおう♪と決めたのだった。
大地に言わせてみれば、聞くだけまったく時間の無駄だった。