汗をかきながら歩きまわり、やっと見つけたコンビニ、ファ〇マ。
実はチャリに乗ってきたほうが良かったんじゃないか、大地はそう思いつつ、緑色の看板めがけてそそくさと避難した。
砂漠の中のオアシスのように見えます。
さすが、この涼しさはコンビニエンスだなと思った。
この季節、涼しさはコンビニエンスの極みです。
「いらっしゃいませぇえ」
なんてやる気のないあいさつだ。
ふざけやがって。
自分も特に立派なあいさつもしたことないくせに何を言っているんでしょう。
タバコを吹かしながらの入店のために、店員や客に白い目で見られながらも大地は店内を物色した。
最初に目を付けたのはやはり雑誌コーナーだった。
隣でエロ本を堂々と読んでいる中年のオッサン。
彼に横目にチラリと睨まれても、大地が気付いている様子はない。
せっかく禁煙に成功したのに誘惑してんじゃねぇ、みたいな目です。
今年も去年同様、県予選の決勝で惜敗れた野球部に所属する2年、ショートで四番の三上クンは、大地の友人の1人である。
お調子者の彼は、沖縄に住んでいたのをわざわざ一人暮らしをしてまで千葉までやって来た。
大地もおれも詳しくは知りませんが、中学の時の実績を買われ、様々な高校から推薦が来たのだとか。
聞くところ、チームが全国大会優勝だったらしいです。
高校野球と対比するとマイナーだと思いますが、実際にあるみたいです。
最近おれの近所の中学が制覇してきました。
なんで千葉なのかは知りませんが、なんでなんでしょう。
疑似迷宮入りです。
啓輔の暮らすその寮が千田家の真ん前ということもあり、夕飯の出ない日曜や水曜なんかは千田家にお世話になっている。
そんな2人だから知り合ってまだ1年ちょっとなのに、凄く仲が良かったりする。
しばらくマガ〇ンを立ち読みしていると、ポケットの中でケータイがブーと震えた。
バイブの長さからして通話である。
手に取っていたマガ〇ンを棚に戻して一度外へ出た。