Summer Memory~第4話~
里佳の歌声に魅了された雄也.
言葉が何も出なかった.
すごい!!やうまい!!という言葉すら出せずにいた雄也は,
里佳のことをずっと見ていることしか,見つめていることしかできなかった.
(直)「おい!!雄也!!」
呼びかけに我に返った雄也.
(雄)「ん?」
(直)「ん?じゃねって,お前の番だぞ」
(雄)「あ~悪い」
雄也は自分の歌う曲すら決めていなかった.
(雄)「どうすっかな~」
曲を決めかねている雄也に里佳からリクエストがかかった.
(里)「ねぇ,この曲歌って」
男性アーティストのR&B系の曲.もちろんバラード.
雄也があまり歌ったことのないジャンルだった.
でも,雄也は里佳のリクエストと言うこともあり,
リクエストの曲を歌い始めた.
普段あまり歌っていないジャンルとはいえ,
うまく歌えるだろうと思っていた雄也.
歌い出しはよかったものの,
途中途中うまく歌えなかった雄也はショックを隠せなかった.
特に里佳からのリクエスト曲だったために,
雄也にとってはショックが大きかった.
(里)「歌ってくれてありがとう」
里佳がそういうと,
(雄)「ごめん.うまく歌えなくて」
(里)「ううん,私こそ無理にリクエストしちゃってゴメンね」
(雄)「里佳さんは悪くないよ.何歌うか決めてなかった俺を里佳さんが助けてくれたんだし」
(里)「元気出して次の曲歌おう」
(雄)「うん」
雄也はショックは治らなかった.
その後はみんなにバレないようにいかにも楽しそうに振舞った.
2時間後・・・
カラオケを終了させた4人.
(直)「あ~また帰ったら勉強か~」
(里)「楽しい時間ってあっという間だよね」
(優)「受験勉強なんてなきゃいいのにね」
4人は別れを告げ,各々家に帰って行った.
雄也は一人になって深いため息をついた.
その時,雄也の携帯電話が鳴った...
つづく・・・
Summer Memory~第3話~
雄也,直斗,優奈,里佳の4人は近くのカラオケ店に入った.
受付を済ました4人はカラオケルームへ.
中に入った4人の座る位置は雄也の隣に直斗,里佳の隣に優奈がテーブルを挟んで向かい合って座った.
(直)「さぁ~今は勉強のことなんか忘れて,思いっきり楽しもう!!」
マイクを手にとってしゃべり出した直斗.
(優)「じゃあ私一番最初いくね!!」
優奈が曲を入れ,歌い出した.
ノリのある女性アーティストの歌.
実際に優奈の歌声を聴くのは初めての雄也と直斗.
2人は思わず顔合わせて,心の中で,
(雄&直)「うまい・・・」とつぶやいた.
優奈が歌い終わった後,2人は思わず目を見開いて顔を合わした.
(直)「めちゃくちゃうまいじゃん!!」
(雄)「歌手みたいだったよ!!」
と優奈に素直な気持ちを伝えた.
それを聞いた優奈は,
(優)「そんなことないよ.私なんか全然ダメだって」
(優)「声も全然出てないし,強弱とか,出したいときに裏声も出てないし・・・」
(直)「そんなことないよ.めちゃくちゃうまかったもん!!俺聴き入っちゃったよ!!」
直斗がすかさず優奈にフォローを入れる.
優奈がニコリと笑って,
(優)「ありがとう」と直斗に言った.
それを見た直斗もつられて笑顔になった.
次に直斗が曲を入れた.
直斗が入れたのはロック系のアーティスト.
かなり激しい曲調の歌だが,歌いこなしていた.
歌い終わると,
優奈と里佳からは「すごい!!」や「うまいね!!」といったコメント.
隣の雄也は,
(雄)「ずいぶんと最初から飛ばすじゃん!!さては優奈さんにいいとこ見せようとしてるだろ」
それを聞いた直斗は,
(直)「そ,そんなことないよ!!ただ最初から暗い曲だとテンション下がっちゃうだろ!!」
(雄)「ふ~ん,なぁ~お前優奈さんのこと好きだろ!!」
(直)「えっ!!」
(雄)「やっぱりな~どうも怪しいと思ったんだ」
雄也はニヤニヤしながら直斗をからかった.
次は里佳が曲を入れていた.
最初の2人とは違いしっとりとしたバラード系の歌.
その歌声聴いた3人は驚きを隠せなかった.
3人は里佳の歌声に魅了されていた.
その中でも雄也は里佳に一番魅了されていた.
つづく・・・・・
Summer Memory~第2話~
由衣という女の子とメル友になった雄也.
今日は10時に起床.ずいぶんと遅い起床で,理由はもちろん昨日メル友になった由衣という女の子と,
あれから夜中遅くまでメールをしていたからだ.
(雄)「ふぁ~眠い・・・」
まだ眠そうな雄也.夜中の3時過ぎまでメールをしていたのだ.
(雄)「おはよう・・・」,(雄母)「おはよう.遅いわね.遅くまで勉強してたの?」
(雄)「うん・・・」
朝の親と子の会話.雄也は夜中までメールしていたとは親に言えなかった.
言えるはずもない.そんなこと言ったら,受験生の身である雄也は完全に怒られ,
携帯電話を没収されかねないからだ.
雄也は遅めの朝食を食べ,歯を磨いて自分の部屋に戻った.
(雄)「由衣はまだ寝てるかな.昨日寝るの遅かったしな」
ふと,由衣のことを考えて,雄也や受験勉強を始めた.
今日は昨日と違い,勉強に集中できた雄也.
もくもくと時間を気にせず勉強をしていたため,
気づけばお昼をとっくに過ぎていた.
(雄)「もうこんな時間なんだ」
時計は13時30分を指していた.
朝食が遅かったため,お昼も遅めに済ませた.
部屋に戻った時,雄也の携帯が鳴った.
(雄)「メールだ.誰からだろ?」
携帯を取り,差出人を確認すると雄也の親友の直斗からだった.
(直)「よう!!受験勉強ちゃんとやってんのか!?今から気分転換に遊びに行こうぜ!!」
直斗からの遊びの誘いだった.
(雄)「受験勉強大丈夫なのかよ.お前の志望している大学レベル高いだろ」
(直)「たまには生き抜きも必要!!受験勉強で部屋にこもりっきりも体に良くないしさ」
確かにと雄也は思ってしまった.
(雄)「俺とお前だけか?」
(直)「まさか!!男2人じゃ息抜きにならないだろ~優奈さんと里佳さんも一緒だよ」
(雄)「優奈さんと里佳さん!!よく2人ともOKしたな!!」
(直)「2人ともたまには生き抜きしたいみたいなんだ.真面目な2人でもそういう時があるんだよ」
(雄)「不真面目なお前はしょっちゅう生き抜きじゃないのか?」
(直)「うるさい!!まぁ~いいじゃないか,お前が気になってる里佳さんがいるんだから!!誘った俺に感謝してもらわなくちゃ!!」
国府里佳.雄也が気になっている同じクラスの女の子.性格は明るくて,優しく,何より雄也は彼女の笑顔に惹かれていた.
(雄)「わかったよ.じゃあどこに行けばいい?」
(直)「30分後に駅前の公園に来て.優奈さんと里佳さんにも伝えてあるから」
(雄)「わかった.じゃあまたあとで」
雄也はメールを返信した後,急いで支度をして駅前の公園に向かった.駅前の公園は雄也の家から10分ほどの場所にある.
家から近いため,公園にはすぐに着いた.どうやら雄也が一番乗りらしい.
(雄)「まだ来てないか」
ベンチに腰かけた雄也.
2,3分後に突然雄也の目の前が真っ暗になった.
(?)「だ~れだ?」
聞き覚えのある明るい声.何より自分の目をふさいでいる手の柔らかい感触に雄也は心臓の鼓動が早くなった.
(雄)「国府さん!!」
(里)「もう里佳でいいよ~早いね!!雄也君」
(雄)「家がすぐそこだから」
(里)「直斗君と優奈ちゃんはまだ?」
(雄)「う,うん.俺が一番最初に来たみたい.まだ2人の姿見てないよ」
雄也は突然の出来事にまだ心臓の鼓動は早いままだった.
(里)「受験勉強はどお?順調?」
里佳が雄也に質問してきた.
(雄)「う~ん,まぁまぁかな.でも,暑い日が続くとやる気がしなくなってくるよ」
(里)「だよね~私もダメ.暑いと頭ボーっとしちゃって勉強が進まないんだ」
(雄)「意外だな~国府さ・・・里佳さんもそういうことあるんだね」
(里)「あるよ~人間だもん!!暑いのはちょっと苦手だし」
(雄)「あっちの日陰のベンチのほうに行こうよ」
(里)「ありがとう.やさしいね!!」
雄也は彼女の言葉とその時見せた笑顔で少し照れてしまった.
(直)「おーい!!雄也ー!!」
遠くから呼ぶ声がする.直斗だった.隣には優奈もいた.
先に来ていた雄也と里佳に優奈が一言,
(優)「おまたせ.待たせてごめんね」
(里)「大丈夫だよ.私たちも今来たばかりだからね」
(雄)「うん」
直斗が雄也の隣に来て,耳元でささやいた.
(直)「なんかいい雰囲気だったじゃん!!進展あった?」
直斗がからかってきたので,雄也も反撃した.
(雄)「お前こそ優奈さんと一緒ってのはどうなんだよ」
(直)「あ~それはたまたま一緒になっただけだよ」
(雄)「本当か~怪しいな~」
(直)「さぁ~どこいこうか?」
雄也はうまい具合に話をごまかされた.
(優)「私たちカラオケ行きたい!!思いっきり歌ってスッキリしたいな」
ということで,4人はカラオケに行くことになった.
つづく・・・
