5ドル〓
0時過ぎの渋谷。
道玄坂を登る手前のスターバックス。
最近は八月のむし暑さも夜になると過ごしやすくなってきた。
「最近の都市伝説はやばいんだってー、まぢ新しいネタ仕入れたからっ」
たまにふく夜風が気持ちいいテラス席。
ここで都市伝説について語るのが、もっぱら最近の仲間内の日課。
道玄坂のクラブへとせかせかと向かうギャル、ギャル男をチェックしながら、あいつらよりは自分らは上だよね等と根拠のない自信とプライドをもちながら、自分達も大して内容のない会話をさも重大事項であるかのごとくオーバーリアクション、大きな声で語り合う。
くだらない時間の凄し方だとわかりながらも、そんな凄し方が居心地よく、今日もこの席へと足がむく。
理想と現実とのギャップにとまどい。初めての自分自身の将来への挑戦に対し、あまりに大きな目標をかかげ、自分なら出来るだろうという親や周囲からの期待に押し潰されそうになりながら、必死にもがく日々。
最近では、その期待に負け気味でこうやって夜に抜け出しては現実逃避のくだらない会話にいそしむ。
これではダメだと分かりながらも、やる気がでない。
居心地がいいはずのこの空間も、ふと現実を思い出すと一気に冷めて、ちゃんとやらなきゃという自分と、ここでこうしていたいという自分との自問自答が頭を巡る。
「けいこ?」
一人、自問自答に頭をとられぼーっとしてしまった自分を友達が心配そうに覗き込む。
「あぁー…大丈夫。ちょっとぼーっとしてた。」
そんな自分の中の葛藤なんか友達には見せたくない。せっかくの集まりだし場を盛り下げたくはないから、適当に心配させないような返事をする。
気付くと手に持っていたフラペチーノのコップは、過ごしやすくなったとはいえまだ暖かい外の空気にふれ細かな水滴が周りを取り囲み、まるでラインストーンでデコレーションしたかのようなきらめきをはなっていた。
その水滴の中を指で一筋なぞると、水滴は一つのかたまりとなり机の上へとぽたりと落ちた。
そこにうっすらと街灯の光が反射し、何とも言えない輝きを放ち、その輝きは夜風にふかれるたびキラキラと表情をかえていった。
そんな水滴をみつめていると、さっきまでのモヤモヤとした気持がなんだか治まるような気がして、何回もその動作を繰り返しポタリポタリと落ちていく水滴を眺めていた。
「けいこ何してんのー?めちゃ濡れてるじゃん!」
友達にいわれ、机を見るとそこにはもはや水滴といえる大きさではない水のかたまりができていた。
さっきまでキラキラと輝いていた水滴は全て落ち、今は一つの固まりへと姿を変えていた。
「ごめん、ごめんっ。いま拭くわ!」
細かな輝きを失った水を拭こうとかばんの中からハンカチを探した。
道玄坂を登る手前のスターバックス。
最近は八月のむし暑さも夜になると過ごしやすくなってきた。
「最近の都市伝説はやばいんだってー、まぢ新しいネタ仕入れたからっ」
たまにふく夜風が気持ちいいテラス席。
ここで都市伝説について語るのが、もっぱら最近の仲間内の日課。
道玄坂のクラブへとせかせかと向かうギャル、ギャル男をチェックしながら、あいつらよりは自分らは上だよね等と根拠のない自信とプライドをもちながら、自分達も大して内容のない会話をさも重大事項であるかのごとくオーバーリアクション、大きな声で語り合う。
くだらない時間の凄し方だとわかりながらも、そんな凄し方が居心地よく、今日もこの席へと足がむく。
理想と現実とのギャップにとまどい。初めての自分自身の将来への挑戦に対し、あまりに大きな目標をかかげ、自分なら出来るだろうという親や周囲からの期待に押し潰されそうになりながら、必死にもがく日々。
最近では、その期待に負け気味でこうやって夜に抜け出しては現実逃避のくだらない会話にいそしむ。
これではダメだと分かりながらも、やる気がでない。
居心地がいいはずのこの空間も、ふと現実を思い出すと一気に冷めて、ちゃんとやらなきゃという自分と、ここでこうしていたいという自分との自問自答が頭を巡る。
「けいこ?」
一人、自問自答に頭をとられぼーっとしてしまった自分を友達が心配そうに覗き込む。
「あぁー…大丈夫。ちょっとぼーっとしてた。」
そんな自分の中の葛藤なんか友達には見せたくない。せっかくの集まりだし場を盛り下げたくはないから、適当に心配させないような返事をする。
気付くと手に持っていたフラペチーノのコップは、過ごしやすくなったとはいえまだ暖かい外の空気にふれ細かな水滴が周りを取り囲み、まるでラインストーンでデコレーションしたかのようなきらめきをはなっていた。
その水滴の中を指で一筋なぞると、水滴は一つのかたまりとなり机の上へとぽたりと落ちた。
そこにうっすらと街灯の光が反射し、何とも言えない輝きを放ち、その輝きは夜風にふかれるたびキラキラと表情をかえていった。
そんな水滴をみつめていると、さっきまでのモヤモヤとした気持がなんだか治まるような気がして、何回もその動作を繰り返しポタリポタリと落ちていく水滴を眺めていた。
「けいこ何してんのー?めちゃ濡れてるじゃん!」
友達にいわれ、机を見るとそこにはもはや水滴といえる大きさではない水のかたまりができていた。
さっきまでキラキラと輝いていた水滴は全て落ち、今は一つの固まりへと姿を変えていた。
「ごめん、ごめんっ。いま拭くわ!」
細かな輝きを失った水を拭こうとかばんの中からハンカチを探した。
