(読者投稿です)

 

 

の投稿について、ちょっと補足を記しておきたいと思います。

 

19歳は未成年者ではないが喫煙してはいけない、という変な規則

まず、「行政処分としての没収」という点です。刑法にも「没収」という刑罰がありますが(刑法19条)、未成年者の喫煙はこれではなく、あくまでも行政処分。つまり犯罪にはならない(刑法上の没収が科されるのは犯罪)、ということです。

二十歳未満ノ者ノ喫煙ノ禁止ニ関スル法律は元々、「未成年者喫煙禁止法」だったのですが、18歳成年に合わせて改正されました。19歳は未成年者ではないが喫煙してはいけないという、変な規制になっています。

今回の宮田選手は19歳、再来月には20歳になるのだそうです。

 

喫煙については「未成年者」扱いなので、「処罰ではなく教育的措置」をとるべきだった

なぜ喫煙した本人は犯罪にならないのかと言えば、未成年者だからでしょうね。刑罰を科するより教育による矯正を、という趣旨でしょう。そうなるとこの法律では、19歳は成人だが未成年扱い=処罰より教育を、ということになります。

今回は内部通報で発覚したようですが、そうであれば、いきなり通報してオリンピック辞退にさせるより、まず「違法だから喫煙はやめろ」と宮田選手をきちんと教育してやる方が先だったでしょうね。

 

「内部通報」制度は権力者を「告発」する制度であり「密告社会を作るための制度」ではない

なお、内部通報というものはやはり、権力の上にあぐらをかいている、なかなか告発できない者を批判することで民主主義の健全な発展を期するための制度でしょう。あいつは煙草を吸った、やれあいつは酒を飲んだと、ナチス・ドイツや北朝鮮ばりの密告社会を作るための制度ではないはずです。密告は日本でも、江戸時代から奨励されてきました。

 

それにしても、ドーピング、ドーピングでかぜ薬も飲めないというアスリートがなぜ、ニコチンやアルコールを摂取したのか。コーチは何をやっていたのか。ニュースはちゃんと伝えきれていませんね。こういうクラスのアスリートになれば、コーチは運動技術だけでなく、生活指導、栄養管理など細かく見ているはずですね。もし内部通報したのがコーチだったとしたら、それも変な話になってきます。

「自発的に辞退した」というのも、本当なんでしょうか。「特攻隊は志願か、強制か」という話と同じかも知れませんね。コンプライアンス、コンプライアンスというならば、とにかく大切なのは、犯した罪と科される罰が均衡していることです(罪刑の均衡)。ちょっと煙草をイタズラしただけでオリンピック出場がパーというのは、厳しすぎるように思います。何でも切腹というのは、体育会系の発想なんでしょう。

 

虚偽公文書作成、というあってはならない犯罪を犯したのに「減俸1ヶ月で終り」、「可罰的ではありません」?という習志野市

また一方で、公務員が虚偽公文書作成をやらかしたのに、減俸1ヶ月で終り、可罰的ではありませんよというのも、罪刑の均衡以前の問題でしょう。ここは主権者=市民が、逃げずにきちんと向き合わなければなりません。「知らなかった」「よくわからない」では、すまされませんね。

 

戦火の中の「平和の祭典」?

そもそもパリ五輪。ウクライナもガザも戦火がやまない中で、何が「平和の祭典」なんでしょうね。バッハ会長以下IOCがふざけた連中であることは、東京五輪でよくわかっています。コロナで東京五輪を延期したのなら、ウクライナとガザが収まるまでパリ五輪延期という判断もあり得たのではないでしょうかねぇ。

宮田選手はオリンピックを辞退しただけで、体操選手を引退するわけではないのだから、オリンピック後を期して再び頑張ってもらいたいものですね。

 

 

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