下水道課不正事件の発端は、市長選に向けた宮本市長のパフォーマンス?

 

下水道課不正事件に関し、監査報告で明らかになった事実が3月4日市議会で読み上げられたことは、前回の投稿でお知らせしました。

 

以下、市議会一般質問でのやりとりです、

 

2年前の「内部通報」で明らかになった下水道課不正事件。市長選が終わり、決算審査が終わり、証拠書類を「廃棄」してしまうまで隠していた?

(谷岡議員、以下「谷岡」と略す)

経過を見ると、不正な発注業務が平成30年から急に始まったとは考えられない。不正を容認するインフォーマルな人間関係が市役所内にあったのではないか?

下水道課のパソコンにあったEXCEL表だけを調べ、今回発覚した事案以外に不適切や事務処理に基づく契約がなかったとして調査を終了する市長、総務部はあまりにも安易なやり方。徹底した究明が必要なのに、宮本市長の指示又は市長の意向を忖度した総務部長によって公表までに2年間もかけられた。

これは令和5年の市長選挙や令和4年度決算の委員会審査が終わるまで不正事件を隠しておきたかっただけでなく、2017年度以前の不正の常態化を調査するために必要となる各種書類の保存期間が終わるのを待っていたからではないのか?

 

監査報告の16頁には監査委員の要望・意見が載っています。

 

新たに着任する職員が同様の手法によって類似事案を発生させることのないよう、業務の負担やその進捗に対して苦慮している状況を早期に組織として覚知・共有し、対応する体制づくりに努めるとともに、本件を契機として企業局において執られた是正措置については、実効性あるものとして運用されているか、継続的に検証されるよう要望するものである。

 

ついては内部通報報告書の内容をふまえた随時監査と是正勧告、住民監査請求への対応はどうなっているか?代表監査委員の答弁を求める

 

習志野市の公益通報制度の運用について。千葉市・船橋市・八千代市などは公益通報制度をホームページなどで市民に周知しているのに対し、この一般質問の通告締切りとなる開会日の朝に確認したところ、習志野市はホームページで公表していなかった。市民に隠そうとするのはなぜか?下水道課の不正な発注業務の内部通報において、通報相談時から職員の通報窓口である総務部総務課が要領どおり対応できていたか?

 

2017年以前の書類は「廃棄」したので調査しなかったのに、「2017年以前違反はなかった」と奇妙な答弁をする宮本市長

 

(市長)2017年以前の業務を含め調査をした結果建設業法に違反する物は今回問題になっているもの以外はなかった。全庁的な調査も過去5年分やったが、違反するものはなかった。

2017年以前については各種書類の保存期間が終了していることから調査は行っていない。

公表まで2年かかったのは、調査に十分時間をかけたから。また情報提供者を保護するため

公益通報制度については今回の件を受けてホームページに載せた。

(福田佐知子監査委員)

随時監査については現在継続中、3月中に勧告を行う

 

他市では何年も前から公表している「内部通報制度」、習志野市ではずっと市民に隠してきた

(谷岡)

内部通報制度について私が一般質問を通告したから、あわててホームページに載せた。市原市では公益通報制度が簡潔でわかりやすく説明されている。外部の請負業者やその労働者による通報が可能なことも説明されている。

 

 

一方宮本市長は「請負業者や労働者による通報制度の要領」を平成19年4月に作っておきながら市民に公表せず、請負業者や労働者からの通報を17年間も妨げてきた。市長の見解は?

(総務部長)

今回の事件を受けて掲載した

(谷岡)

私が去年の12月議会で資料請求した時も「取扱注意」と赤くハンコが押されたものが出てきた。議員に対してすら「取扱注意」、これは近隣市の中でも異常なこと。近隣市は通報制度と通報の窓口を何年も前から市民に公表してきた。ホームページに載っています。習志野市は意図的に隠してきた、と言われても仕方がない。

 

今回市の指示でウソの書類を作らされたことが明らかになった3社以外は聞き取りをやらず、「仲間うち」の「調査」をやっただけなのに、「3社以外に不正はない」と主張する習志野市当局

(谷岡)

建設業法の問題に移ります。今回の事件も、請負業者やそこの労働者も通報しようと思ったかも知れません。それを習志野市は妨げてきた。

12月議会の市長答弁で「今回の3社が下水道課長に逆らえないで違法行為をしてしまった」というような答弁でしたが、この3社以外のすべての業者に違法行為の依頼がなかったか、聞き取りはしたのか

(総務部長)

内部通報の調査を行った結果、3社以外に関係した業者はない

(谷岡)

職員がつくったEXCELの表の中に載っていなかった、というだけ、もしかしたら隠れた被害者がいるかも知れない。隠れた被害者をさがそうとしていない。下水道課長からの違法な発注業務に応じなかったために仕事を干された業者がいるかも知れない、という心配はしなかったのか。違法な発注に応じて仕事をもらい続けた3社だけを調べて解決金を支払っただけでは不公平を是正することはできない。違法な発注を求められたことがないかも含め、すべての業者(21社)に聞き取り調査をしないと全体像がつかめないし、再発防止にもつながらない。少なくとも業者団体である習志野市管工事協同組合からの聞き取り調査は必要と考えるが、どうか?

(総務部長)

企業局職員からの聞き取り、パソコンの中のEXCEL表などを調査した結果、3社のみであると判断した。

(谷岡)

聞き取りをしたのは、市役所の中、企業局の中、仲間うちの調査じゃないですか。

被害を受けたかも知れない業者にも、また広く労働者からも被害はなかったか、という調査をする。今まで通報を妨げてきた習志野市としては是非ともやるべきこと。

 

事実を隠す口実に「内部通報者が特定されるおそれ」を使っているが、事実を明らかにした監査報告のどこにも「内部通報者を特定する」記述はない

(谷岡)

(事実を明らかにすると内部通報者が特定される、と市は主張するが)事実を明らかにした監査報告の中に内部通報者を特定する記述がどこにあると考えているのか?監査報告のように職員名も業者名もA,B,C、工事場所も伏せて公開すれば、何の問題もないはず。議会で質問されても一切答えない。答えたくないだけでしょう。

 

下水道課不正事件の発端は、市長選に向けた宮本市長のパフォーマンス?

東京新聞の記事によると宮本市長は昨年11月の記者会見で「緊急性があるもの、予算措置されていないものをどうにかしようと思ってやったようだ」と答えています。しかし業者Aの清掃用胴長、レーキ購入45万8千円や○○管理用道路段差すり付け工事74万3千円は谷津干潟の清掃イベントや市民まつりに関する支出です。緊急性や予算措置の問題と言うよりも、一般会計から支出すべきものを下水道会計から支出させた、という問題もあるのではないか。これは予算計上されていない物品の調達や工事の施工において下水道課が上乗せ発注していることを市役所の他の部署も知っていて頼んだ、ということではないか?

(総務部長)

監査報告に書かれている事実、認定内容に意見を言う立場ではないので、答弁を控える。

下水道課が他の業務に上乗せを知っていたことを他の部署も知っていた、という事実はない。組織的関与があったともとらえていない。

 

一連の不正事件のはじまりは「胴長」「レーキ」購入事件

(谷岡)

平成29年以前には今回のような不正はなかった、と言うが、それなら一連の事件の始まりは清掃用胴長、レーキ購入、ということいになる。これは一般会計で対応する物だし、緊急性もない。

(胴長)

(レーキ)

 

 

(議員に配られた「内部通報報告書」より:上乗せ手法の発端が、胴長・レーキ事件と書かれているようですが、黒塗りで隠されています)
 

 

(総務部長)

年度や事業名を言うことで業者名の特定につながる恐れがあるので答弁は控える

 

翌年の市長選を控え、干潟のアオサ除去テレビパフォーマンス用に「胴長」を大量購入した宮本市長

(谷岡)

胴長は1着5千~8千円。だから50~90着は購入された。平成30年6月16日開催のアオサ除去活動のことだと思う。

 

当時宮本市長は私の一般質問に次のように答えている。

「今月16日に環境省と習志野市の共催でアオサの除去活動を実施することとなりました。当日は私自身も谷津干潟に入り、アオサの除去活動を通じて谷津干潟とアオサの実態を直接確認してまいります」と答弁しました。

何十着もの新品の胴長を宮本市長自らが見て知っていたわけです。

また平成30年度入っての主要事業の一覧に入っていました。

イベント当日はNHKの取材も入って干潟を清掃する宮本市長の姿が全国に流れました。

 

予算が57万6千円しかないのにNHKの放送が決まったので、急遽「胴長」を上乗せ発注の手法で購入?

ところが谷津干潟保全事業は年間で57万6千円の予算しかつけていませんでした。

宮本市長自らが「主要事業」として市議会で資料を配付し、57万6千円という年間予算が明記されていたのに、当日何十着もの新品の胴長が市長の目の前に並んでいるのを見ておかしいと思わなかったんでしょうか?宮本市長は上乗せ発注の手法で購入したことを承知していたのではないでしょうか?少なくとも下水道会計で購入したことことは承知していたのではないでしょうか?

市長の答弁を求めます。

(市長ではなく総務部長が)

そのようなことはない。

(谷岡)

それは通らない。何百万、何千万の予算がついていて、そこで胴長が買われた、市長はそこまで細かく見ていなかった、というのならわかる。主要事業としてその年の予算案にキッチリ書かれていて、金額は57万6千円、と書かれていて、何十着もの新品の胴長が谷津干潟に並んでいる。これを見て市長が「あれ、こんなに予算つけたかな?」と思わないのはおかしい。

 

市長選を控え、近年にない規模で谷津干潟の清掃や市民まつりの花火などのイベント

 

平成30年は、翌年4月に市長選挙が予定されており、宮本市長が谷津干潟の清掃や市民まつりの花火など、近年にない規模でイベントをやっていました、その中で今回の事件の予算不足が複数発生した。予算が足りなければ下水道会計に回せば良い、とか上乗せ発注で何とかすれば良い、とか宮本市長が直接指示を出した、という証拠は今のところない。

しかし、予算が限られていたのに、市長選を前に派手なイベントを宮本市長が職員に求めた結果、不正な方法で物品を調達する方向へ職員を追いやってしまった責任はあるのではないでしょうか?

 

不正事件が昨年10月に新聞報道され、12月18日にオンブズマンの監査請求が出されたのに、昨年6月30日付けの「内部通報報告書」が監査委員に渡されたのは、今年になってから。半年以上も隠されていた

(谷岡)

市議会議員には令和5年6月30日付けの内部通報報告書は提出されませんでした。代表監査委員にはいつ渡されたのか?

(監査委員事務局長)

本年1月14日付で受領した。

(谷岡)

ひどい話。監査委員さん、もっと怒った方が良いです。10月には記者会見で不正行為で職員が処分された、と報告。その後議会にも報告しないどころか監査委員にすら報告しなかった。更に12月には住民監査請求が出された。なのにまだ渡さない。こういうひどい状況の中でも1月14日に受け取った報告書をもとに監査報告をしていただいたお二人の監査委員に感謝する

 

(谷岡議員のブログ記事です)

https://bootsman.exblog.jp/33276254/

 

 

 

 

コメントをお寄せください。(記事の下の中央「コメント」ボタンを押してください)