昨年12月18日、習志野市下水道課不正事件への住民監査請求が提出され、1月18日、意見陳述が行われました。

(東京新聞の記事より)

習志野市下水道課不正発注

「市は情報隠蔽している」

住民監査請求で意見陳述

 

 習志野市下水道課職員による不正発注問題で、「市民オンブズマン習志野」が市監査委員に住民監査請求し、18日に市役所で意見陳述が行われた。オンブズマン役員は公金が不正に使われたと強調するとともに、情報公開請求などにもほぼ白紙回答だったとして、「市は情報を隠蔽している」と非難した。

 この問題では、職員が2018~19年度、契約せずに業者へ6回発注し、その費用を捻出するため、別の発注業務に計19回にわたって上乗せしていたことが判明。市は昨年10月、不正の中心となった職員3人を減給10分の1(1か月)と戒告の懲戒処分にした。

 住民監査請求は昨年12月18日、オンブズマンの役員6人が連名で行った。この日の意見陳述では、共同代表の内山昭雄さん、鴨哲登志さん(市議)らが「明らかな不正、違法な公金支出であり、組織的に行っていた」と指摘した。

 市に関係書類の提出を求めて情報公開請求したものの、ほぼ白紙の回答だったことや、市議会でも答弁しなかったことを問題視。同様の事例があった盛岡市や宮崎県延岡市では情報を公開したことに言及しながら、「市は、不正支出や不正内容を隠蔽している。監査委員による公正な監査で事実を明らかにしてほしい」と求めた。

 

監査委員への意見・要望事項

  • 朝日新聞2023年11月7日(火)報道によると、「契約手続きをせず業者に発注し、その事業費を別の契約に上乗せし、もって公金を支出した問題」、「虚偽の見積書を業者に提出させ、その見積書を基に支出書類を作成し、公金を支出させた行為」は建設業法違反、地方公務員法違反、下請法違反、公文書偽造、財務処理規則違反である。明らかな財政上の不正、不当な行為である。
     宮本市長及び行政当局は市議会において、今般の不正行為及びこれに対する行政当局の対応、処分を審議した審査会の議事の内容等がわかる書証一切の開示を求められたにもかかわらず、一片の資料すら開示をしていない。これは宮本市長及び行政当局が財政の不正支出について隠蔽をしていると言われてもやむを得ないことである。
     あとの自浄作用を期待するのは監査委員の公正な監査のみである。監査委員は市の財政全般について監査する権限があるので、是非公正な監査によって、事実を明らかにされることを望む。
  • 業者に負っていた借金の残金121万7千円について、市当局と業者で話し合ってその金額で合意し既に支払ったというが、そもそもその金額が適正なものかどうかもわからない。なぜならば、市議会議員の議会での追及に対して、業者に支払った総額については明らかにできない旨の答弁もしているからである。実際いくら支払ったのか、またそうした不明朗な支払いが公金支出として適正なものなのか否か監査を願うものである。
  • かつ、その支払いについて、令和4年度の決算にかかわるものであるにもかかわらず、監査委員にも市議会の決算審査の特別委員会にも市当局は報告をしなかった。こうした行為は監査委員軽視、議会軽視、さらに言うならば、事態の隠蔽ということではないのか。
  • 別添盛岡市の報告書は同種事件の調査内容について、市民がその内容についてよく理解できるように公表している。習志野市はなぜ、盛岡市のように調査、公表することをしないのか市民の疑惑は増すばかりである。
  • 市議会で宮本市長も行政当局も内部通報者を守るためと言い訳をしている。ところが、具体的に市議会で鴨議員が、内部通報者は本当に保護されているのか、職場に現在在職しているのか異動になったのかという質問を行ったことに対しても、行政当局はまったく答えなかった。議会終了後、鴨議員が独自に調査したところ、内部通報者は内部通報時にいた職場からは異動となったのではないかという話をいくつか伝聞で聞いた。
     こうした異動が本当に内部通報者を守るための異動なのか、それとも内部通報したため不当に配転となったのか、その真意がわからない。一般的に内部通報をしたら、職場を変えられるということになったら、内部通報を行うことに対する有形無形の圧力ともなることになる。監査委員の方でも事実関係を是非調査していただきたい。
  • 盛岡市、延岡市などと違うのは市長の管理監督責任のあり方である。業者と市当局がまさに「つうと言えばかー」という関係にあり、組織ぐるみで今般の不正行為が蔓延していたことが想定される。このような組織的事件については、誰が考えても市長の管理監督責任が問われるべきであるというのが市民の正常な感覚である。この点についても感覚が麻痺しているのではないかと危惧するものである。
  • 習志野市という行政の金員支払い書類を偽造したのであるから、間違いなく公文書偽造である。公文書偽造及び財務処理規定の違反行為について、きちんとした対応をしなければそれこそ公金が不正に扱われることに対する規制がなくなる。けじめはきちんとすべきだと考える。

 

陳述書 
論点 ①企業局内で起こった事実について 

請求人は昨年 10月 25日の新聞報道後 11月6日 に情報政策課に「10月 24日付の 懲戒処分の判断の元となった文書又は書面、及び処分の基準となる規定の文書」の公文書開示請求を行った。通常 11月 20日(月 )ま でに開示についての決定が行われるところ、11月 15日に総務部人事課より公開等決定の延長の通知を郵送で送付 された。延長後の 期間は11月7日 から12月 28日で、その延長の理由は「文書量が大量である上、個人情報が多分に含まれており、公開の有無についての精査に時間を要するため。」とあった。 
12月 28日は御用納めの日で、決定文書は年末年始をはさんで1月 4日 となるが、1月4日 に開示される文書を受け取 りに行き、総務部人事課 と企業局業務部企業総務課双方からの開示文書を受け取った。開示されたのは処分の基準となる規定の 「懲戒処分の指針」と懲戒処分の審査会を行ったとい う起案用紙であった。ただし審査会の内容は双方 とも「審査会次第」とい う題の用紙で議題が 「 『内部通報報告書』により確知 した不適切な事務処理を行った職員に関する処分について」と書かれただけの白紙であった。 
これでは、どんな不適切な事務処理が行われたのか、我々市民には一切知ることができない。また今後の再発防止の方策を市が行お うとしているのかも不明である。そこで 11 月 21日付の東京新聞の記事から事実の把握 と類推を行 うしかない。本市の情報公開は何か、市に都合の悪いことは隠ぺいしようとしているとしか思えない。 
上記の東京新聞の報道では処分を受けた3名 が行った行為は、入札などを行わなかった地方自治法違反、契約をなわなかったなどの市財務規則違反と市公営企業会計規定違反さらに法令遵守などを定めた地方公務員法違反に該当する。刑法の偽造公文書作成にも該当する。 とい うことで決して軽微な違法行為ではないと思う。 
また記事では21年11月頃内部通報があり調査を開始したとあり、処分の完了までなぜ 2年もかかったのかの記者の問いに 「市側は調査対象者が市長部局と企業局にいたり、2回聴き取 りを行った職員もいたり」と答えたが、内部通報者の保護 とい う点では調査は速やかに行 うべきでその方が秘密の漏えいが少ないと思 う。ここで気になるのは、企業局の審査会では令和 5年6月 30日 付け「内部通報報告書」により確知 したとある通 り時期が相違 しているが、どちらが内部通報の時期なのか不審に思われるのである。 


② 「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関する ガイ ドライン(内部の職員等からの通報)」 の規定によれば 

通報への対応
(3)調査結果 に基づ く措置の実施等 各地方公共団体は、調査の結果、法令違反等の事実が明らかになったときは、  速やかに是正措置、再発防止策等(以下「是正措置等」という。)を とるとともに、必要があるときは、関係者の処分を行う」とあるが、本件は「速やかに」是正措置等がとられたとはいえないと思う。 

③ 「懲戒処分の指針」によれば 「(13)公文書の不適正な取り扱い」のうち「虚偽の公文書の作成」は免職または停職 とあるが副技監と課長が、減給 10分の 1(lヶ月)は処分が軽微に過ぎる。また同指針「5監督責任関係」(1)指揮監督不適正にあたり、副技監及び課長は減給又は戒告とする、にも重複 して処分となっている。 
今回処分を受けた職員に対して個人的な恨みは全 くないが、市民が行政に不信を抱かぬよう願っている。監査委員に調査していただき、必要な措置を講ずるよう請求するものである

 

この後市側の陳述が行われましたが、「是正措置を講じた」「内部通報の処理については完了している」と主張するだけで、不正の内容には全く触れない、虚偽公文書作成の証拠書類なども出されない、という「陳述ならざる陳述」であっさり短時間で終わってしまいました。

ホームページに「当局側の陳述は非公開」と掲載され、混乱

この会議の「関係職員の陳述」について、当初ホームページには、下記の通り「非公開」とされていましたが、行き違いがあった、ということで結局「公開」となりました。