(東京新聞の記事より)

契約せず発注 他業務で補塡 習志野市の職員3人懲戒処分

契約せず発注 他業務で補塡 習志野市の職員3人懲戒処分:東京新聞 TOKYO Web

契約せず発注 他業務で補塡 習志野市の職員3人懲戒処分:東京新聞 TOKYO Web

千葉県習志野市は25日、契約せずに業者に発注し、その費用を他の発注業務で補塡(ほてん)していたとして、企業局工務部の副技監(58)と都...

東京新聞 TOKYO Web

 

 千葉県習志野市は25日、契約せずに業者に発注し、その費用を他の発注業務で補塡(ほてん)していたとして、企業局工務部の副技監(58)と都市環境部の課長(56)を減給10分の1(1カ月)に、企業局工務部の主幹(51)を戒告の懲戒処分にしたと発表した。処分は24日付。(保母哲)

 市によると、3人は企業局下水道課に勤務していた2018~19年度、数回にわたり予算計上や契約を行わずに直接、業者に口頭で発注していた。総額は約350万円。

 その費用を捻出するために、他の業務を発注した際、業者に依頼して見積書や契約書の金額を数回にわたって水増しして提出してもらい、分割して約350万円分を補塡していた。市は「(企業局担当者の)依頼に業者は従わざるをえなかったのでは」とみている。

 3人は「時間的な制約があったため、必要な手続きを省いてしまった」などと話している。21年11月ごろに職員から情報提供があった。処分までに約2年もかかったことについては、関係職員への聞き取りや書類確認などで時間を要したとしている。

 このため市は、「契約は一般競争入札、指名競争入札、随意契約、せり売り(最高値をつけた業者と契約)で締結する」と定めた地方自治法や、契約の際は「契約書を作成しなければならない」とした市財務規則などに抵触するとした。

 宮本泰介市長は「市民の信頼を損ねる違法行為」とした上で、謝罪とともに「あらためて職務の本質から追究し、綱紀粛正を図ってまいります」とのコメントを出した。 

(朝日新聞の記事)

 

 

(千葉日報の記事)

「分からないようにやってしまった」 不適切な事務処理行った市職員3人を懲戒処分 習志野市

(千葉日報の記事)

 

 習志野市は25日、不適切な事務処理を行った職員3人を懲戒処分したと発表した。工務部の副技監(58)と都市環境部の課長(56)は減給10分の1(1カ月)、工務部の主幹(51)は戒告とした。いずれも処分は24日付。

 市によると、3人は2018~19年度、勤務していた下水道課で、複数の業務について本来必要な契約手続きを怠り、契約書を交わさず口頭で業者に依頼。発覚を免れるため、経費を複数の別契約に分割して上乗せし支払っていた。不適切な処理があったのは総額約350万円で、市と業者双方に損害はない。

 職員の情報提供で発覚した。3人は市の聞き取りに「時間的制約の中で適切な対応ができず、分からないようにやってしまった」という趣旨の話をしているという。

(編集部注:この報道では「市と業者双方に損害はない」という市側の言い分をそのまま載せていますが、具体的にどのような書類改ざんがあったのか公開することすら習志野市は拒否していますので、市側の主張は全く信用できませんね

法律に詳しい読者から「詐欺の可能性も」との指摘

何のために虚偽公文書作成をやったのか、というところを追及すべきですね。無契約で業務をやらせたから(動機)、精算するためウソを起案し(手段)、公金をだまし取った(結果)という一連の流れの、結果の部分が大事です。

二つの犯罪が目的と手段の関係に立つものを、「牽連犯」(けんれんはん)といいます。例えば、腹が減ったから(動機)、他人の家の鍵を壊して侵入し(手段)金銭を盗もうとした(目的)というとき、住居侵入と窃盗は牽連犯の関係にあります。牽連犯は最も重い犯罪が成立しますから、もし玄関に侵入したところで逮捕されたとしたら、住居侵入ではなく窃盗未遂が成立します。

今回の企業局の事件では、虚偽公文書作成・行使と詐欺では、虚偽公文書の方が重い罪になりますが、それだけではなく詐欺(既遂)も成立しているわけです。無契約発注で業者に借りがあったから、というのは動機に過ぎません。

今回のプレスリリースはこの理屈を知っている者(市顧問弁護士)が入れ知恵していることは間違いなく、新聞記者の方がこの理屈を知らないから「無契約発注したことが悪い」「虚偽文書を作ったことが悪い」という話に終始しているわけです。窃盗未遂なのに「空腹にたえかね不法侵入」と書いているようなものです。

しかし、地方自治法違反、財務規則違反では刑事事件にならない。市長の手元で処理できる。減給1ヶ月が適切か、軽すぎか、という話に矮小化してしまうことができるわけですね。

なお「朝日」は「市によれば、横領の可能性はない」と書いていますが、横領というのは、預っている金を着服してしまうように、元になる権限があってネコババしてしまう場合。今回はウソをついて金をだまし取ったのですから、横領ではないのは当り前です。横領の可能性ではなく、詐欺の可能性があるのです。

(詐欺)
刑法第二百四十六条 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

もっとも詐欺で告発するにしても、「習志野市人事審査会及び習志野市企業局において審査」する中で、既に証拠隠滅と口裏合わせが行われてしまったでしょうね。陰で笑っているのは管工事業者です。

更に市役所業務に詳しい読者から「かなりの量の虚偽文書をつくったはず」「どこの業者に、無契約でどういう仕事をさせたのか全部隠して置いて『横領はなかった』という市役所の言い分、誰も信じないだろう」という指摘

虚偽の契約書を作って水増ししたことばかりが問題にされているようですが、水増しした金額が実際に業者のもとに振り込まれるまでには、さらにウソを重ねなければなりません。ウソの仕様どおり契約が履行されたことを確認する書類を作り、公金支出命令を出させるわけですから、彼らが関与した虚偽文書はかなりの量になるはずですそうなってくると、ただ虚偽文書が作りたくて作ったなどという話ではない。公金詐取目的があったと言わざるを得ないでしょう。

 さらに、横領などの利得は認められない。つまり、最初に無契約で業者がやった仕事と彼らが水増しして支出させた公金は釣り合っているのだ、という市の説明なのですが、それが正しいかどうかは、全貌が公表されない以上、何とも言えません。どことどこの業者に、無契約でどういう仕事をさせたのか。それは正しく見積もっていればいくらの仕事だったのか。そして、水増しした金額が何件でいくらだったのか、といった肝心な部分が公表されないのに「役所を信じろ」と言われても、信じるわけにはいかないでしょうね。市長や企業管理者がまるで他人ごとのコメントを出しているのも、いっそう不信感を与えます。まず管理責任を負う者として、自らに処分を下すべきでしょう。

(編集部より)

新聞で報道された3人以外にも処分された職員がいるが、軽い処分なので人数や処分内容を公表しない。(これだけの事件で「軽すぎる処分」というのも問題です!)発注した業務内容や業者数も公表しない…だそうです。いつもながらの習志野市の「隠ぺい体質」。市民には不正の内容が一切隠されたまま宮本市政が「暴走」しています。