人生ベストテン 角田光代 ★☆
直木賞受賞第一作
13歳のあの夏から、私に会いにきたひとは?
どこにでもいる男たちと女たちの<出会い>が生みだす、ちいさなドラマ。おかしくいとしい6つの短篇。
「床下の日常」 水漏れ工事に向かったマンションで、陰気な人妻から食卓に誘われたぼくは
「観光旅行」 恋人と訣別するためイタリア旅行中の私は、観光地で母子喧嘩に巻き込まれ
「飛行機と水族館」 アテネ帰りの飛行機で隣り合った泣き女が、なぜかぼくの心にひっかかり
「テラスでお茶を」 男とのねじくれた関係を刷新すべく、中古マンション購入を決意した私だが
「人生ベストテン」 40歳の誕生日を目前に、恋すらしていない人生に愕然とした私は
「貸し出しデート」 夫以外の男を知らない主婦の私が、若い男を借り出してデートに挑むが
「人生ベストテン」というタイトルから、
勝手に、人生を振り返ってランク付けしながら書き連ねられている
長編だとばかり思い込んでいて面白そうと期待してたんだけど、
上記のような短編集でした。
さて、角田女史ですが、今まで読んだこと一度も無くって、
直木賞受賞の少し前くらいから、
やたら愛読雑誌のダヴィンチで取り上げられていたのは知ってたけど、
どうも読む気になれなかった作家のひとりでした。
が、受賞後。
本作「人生ベストテン」といい、「この本が世界に存在することに」といい、
やたら印象的なタイトルや興味深そうなテーマに、
私の中で気になる作家として急上昇したのでした。
そこへ来て、本作をたまたま図書館で見かけて、借りてみたのだけれど、
う~ん・・・
私自身短編が苦手というか、好きじゃないせいかもしれないけど、
はっきり言って面白くなかった。
出てくる主人公みんながみんな屈折&暗い。
山本文緒の小説に出てくる主人公の暗さから、純粋さを引いたような、
いいとこがひとつも見つけれなかった。残念。
このくらいのレベルなら江国・唯川・山本の御三家を読んでる方が、
安心できていいなぁと思ってみたり。
なんていうか文章に個性が足りないのよね。
軽いんだか、重いんだか、中途半端で、
結局何が書きたかったのか全くわかんない感じも好きになれず。
つくづく買わないでよかったと久々に思った本でした。