グレイヴディッガー 高野和明 ★★☆
乱歩賞授賞&映画化の「13階段」が、とてもとても面白く、
かつ、よく出来ていたので、
文庫化として書店に並べられてるのを見て、
何の躊躇もなく買った。
「13階段」があんなにも絶賛され、話題になったというのに、
その後の著作が話題にならないのは何故だろうと不思議だった。
私自身も、「13階段」で「間違いのない作家」と認めたはずなのに、
なぜか、買う気になれなかった。
それは多分、キャッチャーではないタイトルの付け方と、
凡庸なペンネームにあるのだろうと思っていた。
乱歩賞作家、13階段の人ってわかってはいても、
どうも「高野和明」という名前は、
本屋だと目立たないような気がするのは私だけだろうか?
そんなわけで、彼の2作目を読むのは文庫化を待ってからになったのだが、
本書を数ページめくって、「本当にこれが13階段の人?」と疑問がもたげた。
最後まで読んでみると、確かに「13階段の人」だと納得できるくらい、
スリリングな展開の描写や、オチまでの巧みな持って行き方は悪くないんだけど、
主人公八神の動機や行動に無理がありすぎて、
読むほどに引いてしまうのだ。
グレイヴディッカーだって、武器の持ち歩きに無理があるように思うし・・・。
最後まで読んで思ったのは「13階段」はまぐれだったんだなってこと。
というか、高野氏の場合、
想像力とか、組み立て力とかはちゃんとあるとは思うんだけど、
テーマや動機や主人公がはまったらいい作品を生めるけど、
それらの題材を誤ったら不出来な作品になってしまうんだなと。
それでも解説者の西上心太さんはベタボメしてるので、
本作を「素晴らしい作品」と思う人もいるのだろうけど、
私はダメだした。
五十嵐晴久のRIKAとか、
映画化で話題のハサミ男を彷彿とさせるけど、
2番煎じ止まりなので、
読むならこれらを読んだ方がいいかなと思う。
背表紙の後ろのあらすじ見て
「面白そう!」と思わない限りは、
「13階段」のような面白さを期待して読んだら、がっかりすると思います。
100円200円の中古本なら「良かった」と思えるかもしれませんが。
ハードカバーのときに、買わなかったのは
直感でピンとこなかったわけで、それは正解だったってちょっと実感してみたり。
*読みどころ*
・主人公のありえない逃走。
・グレイヴディッカーの行動。

