「そのワンピースいいわね」
「そのネックレス素敵」
とほめられた時、
人はどう反応するでしょうか。
「ありがとうございます」と素直に喜ぶか、
「いえそんな」と謙遜する(少なくともしてみせる)か
・・・普通はそんなトコロだと思います。
ところが、着物の場合
その1
「その夏着物、素敵ですね」
「いいでしょう? これ、近江上布なんです」
その2
「その更紗の帯、いい色柄ですね。そういうの私も欲しいなあ」
「いいですよね~更紗。こういった紬に良く合うんですよね」
・・・というリアクションが案外多く見受けられます。
つまり、謙遜するどころか
積極的に自分の着物や帯の良さをアピールし、
聞いてもいないのにソレについて語りだす姿勢。
着物を着始めたまだ最初の頃、
正直、このテの反応をする人に私は違和感を覚えていました。
着物パーティなどで、
初対面同士で会話がはずまない時なんかは
相手の装いを褒めるくらいしかすることが無いわけですが、
そんなときに喜々として「わかります?」的なドヤ顔をされると
「社交辞令なんだけどな~」と内心引いたりして、
「京のぶぶ漬け」的イケズになる私でございました。
でも、着物歴を重ねるうちに
彼女らは決して
持ち物自慢をしているわけではないことがわかってきました。
表現が難しいですが、
自分の持ち物でありながら自分のものではない感覚で、
純粋にその作品を愛おしんでいる。
そしてその価値をわかってくれる人と一緒に
それを目にし、袖を通す喜びを共有している。
そんな気がします。
それと通じる事でもありますが、
人様の美しい着姿を見ていると
自分も一緒に着たような気持ちになって
満たされた気分になることがあります。
その人がその装いを心から嬉しいと思い、楽しんでいる様子が
こちらにも伝わってきて幸せになれる・・・
なんだか素敵ですよね。
だから、もし着物姿をほめられた時は
丁重にお礼を言って、
その着物や帯を選んだときの自分の物語を
しみじみと語ってよろしい。
・・・と最近は思います。