あけましておめでとうございます!
ご無沙汰しております、すみれのつぼみです。
前回の更新からしばらく空いた間、いくつかの公演は観に行ったりしていたのですが…先日花組東京公演『元禄バロックロック』観てきたので、とりあえずこれについて書き留めておこうかと。
今回も完全な個人的感想(しかも辛口めかも)であり、盛大にネタバレも含むので、それでも大丈夫!という方のみご覧ください!
①ツッコミどころ満載のお芝居:忠臣蔵じゃなくて、よくない?
全体を通しての一番の感想としては、タイトル通り。忠臣蔵である必要は全く無いお話でした。
面白く…は…なかった…です。(好きな方すみません)
時間を巻き戻したいと思ってしまうのは人間の性!それは神の理に背くこと!とか、忠義が…とか、色々言ってるけれど、「結局は中身のないファンタジー少女漫画じゃん…」みたいな。
トップコンビがキャッキャウフフしている場面で半分くらいが埋め尽くされ、忠臣蔵はその合間を埋めるものとして凄く雑に扱われている印象を受けました。(実際に公演前から「純真な少女とのラブストーリー」的なことを座談会とかで言ってたので忠臣蔵なのにまじかよ…とは思っていたけども)
ビックリ人事の末の新トップお披露目公演なので、とにかくコンビ感を!みたいな意図もあるんでしょうが、どうせこの先長いんだしそんな焦らんでも…それより面白い作品にして欲しいな…と個人的には思っちゃいました。
衣装から照明、装置、ポスターに至るまで配色・デザインに "谷貴也ワールド全開" な感じでしたが、う〜〜〜〜〜〜〜ん。いやたしかに柚香さんや水美さんはじめとするジェンヌさんはカッコイイです。ビジュアルは良い。けど、けど、けど…。
谷先生の作品、話の整合性含めて「え、コレでいいの??」って毎回思っているんですが、これは我が家だけなんでしょうか…。元禄時代なのにパパとかサラダとかスリリングとかカタカナのオンパレードなのも気になっちゃうし、結構簡単に史実変えちゃうのもまじか〜って感じだし、というかそもそも閉じ込められてた女の子が簡単に時計作れちゃうか?とか…挙げればキリがないツッコミどころの数々。
そういう怪しい部分全部、「ファンタジーだから」で乗り切ろうとしてる感がどうも毎回納得行かないんですよね…。(わたしの脳みそが足りてないだけかもしれませんが)
あと個人的には、セリフが安っぽいのも観ていてちょっと引いてしまう。。。
今回はしかも、最後のセリフで「こういう結末も、あたしは好きだよ!」とか出演者に言わせちゃってて、え〜〜〜ちょっとそれは狡いんじゃ…と思ってしまいました。
でもコレが俺のスタイル!って感じなんだろうし、一定数好きな方々がいるからこうして大劇場公演も演出されているんだと思うので、きっと好みの問題なんだと思います。ビジュアルは特徴的だし、衣装もお正月公演にふさわしく凄く華やかなのは間違いない。それにタイムリープものだから、きっと複数回観られる方々にとっては見方が変わって面白いんだと思います。
まあなにより、ずっとハート飛んでる感じなので大体のトップコンビファンの方々からしたらそれだけで話の整合性なんて瑣末な事なのかも。
よく分かんなくても華やかで楽しければタカラヅカは良い!派の方が実は多そうですし。楽しみ方は人それぞれですもんね。
ただなあ〜〜〜ただなあ〜〜〜。笑
ぶっとんだ設定自体はファンタジーだから構わないけれど、その合間を埋める一つ一つには観ていて苦にならない程度の整合性が欲しいし、単純に話として面白くあってほしい、とちょっと思ってしまいます。
今回も、ラブストーリーって言うなら(というか上手く織り込めないなら)中途半端に忠臣蔵とか言わずそっちに振り切ってほしかった。そしてそれで中身を丁寧に描いて違和感少なめで面白くして欲しかった。。。ずっと「君の笑顔が見たいんだ!」しか言わなすぎてどうしようかと。
我が家はSNSや他のブログをまったく目を通さないので実際の評判はよく分かりませんが、とりあえずきっと我が家にはハマらないんだと思います。うん。
(ちなみに、少女漫画はとても好きです。コンビ萌も大好き。でも少女漫画が好きなのはそこに軸とテーマがあるからだし、コンビ萌もストーリーに乗ってこそ楽しめる人間なのです…)
②すべての鍵はこの人が握っている:ツナヨシ役・音くり寿
出演者に関しては、もうこの方以外あまり言及することが無く。(なんせ、ストーリーが気になりすぎてあまり頭に入ってこなかった)
いやー、凄い。「もう、全部持ってくじゃん!!wwwww」てなりましたもん。
最後もこの人で全部事件解決しちゃうし、中盤に出てきた時もビジュアル・声・歌・芝居すべてのインパクトがとにかく最強。ぶっとびストーリーの中でも最もぶっとびキャラであるツナヨシを見事に演じられていました。
娘役らしいとは言えない役でも、むしろ音くり寿にしか出来ん!と思わせてくれる程に全力ですべてを作り込んでくるその姿には毎回感服します。ちょっとお芝居の癖はあるものの、最近は演出家の先生が上手く役を当てているのもあってちょうど良い塩梅というか。音楽学校時代から優等生の方ですが、下級生時代よりも遥かに実力がついて輝いていますよね〜。圧倒的歌唱力は、いまや花組の娘役では断トツでピカイチだし。(いや、他の組を見渡しても1,2を争うぐらいか…)
タカラヅカよりも四季とかに行っちゃいそうな方ですが、貴重な人材、いてくれるだけいて欲しいなあなんて。
次回のTOP HATでも主要な役に入っているので、楽しみにしたいと思います。
③キャストの配分:ほとんど役はない!
全体的に、上記の通り
①半分くらいがトップコンビのあまり中身のない会話場面
②肝心な場面はツナヨシで終了
という感じなのであまり他のキャストの見所が少なく…。討ち入りのとこも雑で男役の活躍も殆どありませんでした。忠臣蔵なのに。
ラストのれいまいコンビの殺陣も、「やっと見所キタ〜〜〜!」って思ったら始まって割とすぐに「この戦いは俺が精算するものだ!」とか言って満身創痍のクラノスケに代わっちゃうし…えええ…流石にこれはないんじゃないの…って思っちゃいました。
二番手羽根背負ってないとは言え、ポジションとしては二番手かつ同期コンビ唯一の場面なのに…しかも殺陣やらせたら上手いコンビなのに…。
大人の事情で仕方ないんでしょうが、ストーリーが雑な分、せめてそのくらいの男役同士の見せ場は欲しかったなあという感想に尽きます。
娘役は、コウズケノスケのお付き二人である美羽愛さん・星空美咲さんがセリフを貰ってましたね〜。思いを寄せる、という点では星空さんのほうが少し良い役かと思いきや、美羽さんのほうがセリフの全体量は多かったような印象。新公回数や学年も加味してバランスを取っている感じなのかな?どちらかはそのうち組み替えしそうだなあ、と思いましたが果たして。
個人的には立ち回りの星空さんの身のこなしが鮮やかでおおっ!となりました。
花組娘役若手ホープの二人の行方も、注目したいと思います。
以上、新年早々なんだか文句だらけな感じになってしまいましたが『元禄バロックロック』の感想でした。入り切らなかったショー『The Fascination』については気が向けば別に書くかな…。
次回作は生田先生でリストの話とのことなので、こちらも楽しみにしたいと思います。
今回も無事に公演が幕を下ろせることを願って。