市立病院のむかえに 烏天狗と天狗が碁を打っている看板の 碁盤店があった。

                          (烏鷺ではなく:笑)

今は コインパーキングになっている。

 

郊外に 見覚えのある 天狗の看板が掲げられてあるのを 見つけた。

工場の敷地に あのお店が 店舗を構えている。

 

私の碁盤は このお店で買った。

 

中学生だった私は 

父親とこの看板のお店に行った日のことを 今でも覚えている。

父は 「 あんまり厚い盤は 疲れやすいし 

     石も厚いと打ちおろした時 コロコロしちゃうから…。」と

盤も石も ごく普通のものにした。

 

今にしてみると 予算が許さなかったのかなと思っていたが そうともいえない。

案外 あたっている。

棋譜ならべで 今でも活躍している。

片手に棋書を持って ちょうどいい厚さの盤だと 実感している。

 

この碁盤で 父とたくさん打った。

やっと 互先で打てるようになったのは 私が30才を過ぎた頃だった。

私の同世代には 碁を打つ仲間がいなく 相手は父だけだった。 

 

黒石の キズを消してくれる 打ち方をしたり 

白の 弱い石をつくって 攻め方を教えてくれたり

様々な打ち方ができる局面をつくり 対局してくれた。

「 ここに手があるね。 」

「 この石は いつでもいいけど どちらからいくかなあ。 」と

手どころを じっくり考える局面での アドバイスもあった。

私が迷っていると

「 どうしたい? 」「 どこに 地ができそう? 」と

問いかけながらの対局で 力をつけてもらったと思う。

 

習う者の目線に立つことが 支援の要諦だと思っている。